待機という仕事

葬儀という仕事に従事した新人の頃、指導を頂いた先輩に
「葬儀の仕事はとにかく待つ仕事だぞ!」
と教えて頂きました。
確かお客様を病院の霊安室までお迎えにいって予定の時間になってもお客様が現れず、随分待たされて「遅いなあ」と私がぼやいたので、すかさず指導が入った時です。
お客様をお待たせしないように配慮をする為に、私たちは病院にご遺体を迎えに行く時でも約束の20分くらい前に行って待機をするように心がけています。
それで予定の時間が前倒しになることは少なく、予定の時間から遅れることが常態化しています。


待機の仕事とはお客様の「もしもの時」を待つ仕事です。つまりは「誰かが死ぬを待っている」仕事です。
そうやって表現してしまうと「けしからん!」とお叱りを頂きそうですが、これが待機という仕事の本質です。
もっとも葬儀社は事前にセールスすることが難しい仕事ですから、「待つことが営業活動」なのです。
ただ、葬儀社の営業担当は何もしないで待っているこということはありません。
他の葬儀現場の手伝いに行っていたり、日頃の業務の書類整理をしていたり、自身のスキルアップの為の勉強をしていたりと待機の時間は有意義です。
そして、夜間はいつでも出動できるように電話機を抱いて仮眠を取るのです。


待機という仕事はとにかく待つことが基本で、ご依頼を受けたら素早く行動に移すことがとても大事なことですが、待機中に何をするかということでその人の未来が決まってしまいます。
昨今の人手不足からくる労働環境では以前ようにお客様をお待たせしないように素早く対応できない病院や葬儀社が増えてきています。
そうはいっても「時は金なり」ですから、お客様をお待たせしないように待機の専従者を常時おいておくことは葬儀社の重要な顧客サービスなのです。





最新記事

最新記事

初めての方へ FUNE公式サイト

三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


2025

4

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

PAGE TOP