時間のかかる身内探し

愛知県岡崎市の葬儀会社跡地で11月1日、ひつぎに入った1人の遺体が見つかった事件は葬儀会社を経営する私も大変驚きました。1年半以上前に閉鎖した葬儀会館から死後、長時間経過しているとみられるご遺体が2体も発見されたのですから、近隣にお住まいの方もたいそう驚かれたことでしょう。死臭の臭いも相当強烈であったはずです。
捜査の結果、事件性は無く、遺体安置所として臨時に使用していただけでしたが、何とも管理が悪く、同業者としても信じ難いほどの杜撰なことです。

読者の皆さんは長期間、ご遺体を安置しておかずに速やかに火葬場で火葬をすれば良いのにとおそらく思われていると思いますが、葬儀の現場では長期間ご遺体を安置するしか無いような場面が頻繫にあるのです。
ご遺体の身元はDNA鑑定が現在主流であり、一週間あれば、身元が判明します。
もっとも、この場合でも一週間から10日間くらいはご遺体を火葬をすることが出来ないので、死臭は漂う臭いは覚悟しなければなりません。

今、問題なのはご遺体のお身内探しなのです。せっかくお身内が見つかっても、その方がご遺体の引き取りを拒否されれば、ま次のお身内を探すということを役所や警察が行っているのですが、そうこうする間にお亡くなりになられてから30日くらい簡単に経過してしまうのです。60日・90日かかってもご遺体の引き取りの方が見つからない場合は最後は行政の責任で火葬を執行するのですが、何にせよ時間がかかるのです。
今回の事件のようなご遺体の安置は論外ですが、ご遺体用の冷蔵庫で保管していても死後30日が経過してしまってはかなりの腐敗が進行し死臭は強烈なものとなります。

何とか、少しでも早く火葬をしてあげたいのですが、現行のルールではなんともならないのが現状です。
ご遺体の引き取り拒否の場合は速やかに火葬ができるようにルールも改善していなかければやがて大きな社会問題となっていくでしょう。





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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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