台風とお葬式 その2

前回の記事「台風とお葬式 その1」に続き今回はその2

今から10年前に経験した今まで

一番過酷な経験をした台風のお話をさせて頂きます。

今回の台風と同様、10年前の台風も名古屋を直撃でした。

しかも、日中が雨・風とも最大のケースでした。

JRも名鉄も全線運休になるくらいの大型の台風でした。

各種イベントは悪天候を理由に中止になることは多々ありますが、

お葬式だけは安易に中止する訳にはいきません。

なぜならば、仮にお葬式という式だけを中止にしたとしてもお葬式のあとに

ご遺体を火葬しなければならない為に安易に中止という決定が

できないのです。

その為に悪天候でもお葬式を施行するという選択をしなければ

ならないのです。

10年前の台風の中でのお葬式の会場は葬儀会館ではなくお寺

でした。

通常はテントで受付をしたり会葬者の皆様もテントの下で焼香までの時間を

お待ち頂くのですが、暴風の中とてもテントを立てていられるような風ではなく、

やむなくテントを撤去しました。

生憎、お寺の本堂はご親族で満員でした。

立っていられない程の暴風雨の中、一般の会葬者の避難場所が確保

できないために異例の対応でお越しなられたお客様から焼香をして

帰って頂きました。

結果、お葬式は扉をすべて閉めて親族だけで行ないました。

外は風雨とも激しく、門前に飾っていた看板、ちょうちんは跡形もなく風で

飛んでいってしまいました。

そして、いよいよ出棺の時ですが山門から本堂までは霊柩車が入ることが

出来ないお寺でしたので、50メートル位

お棺を手で運ばなければならなかったのです。

本堂より外に出たら傘は全く役に立たず、一瞬でパンツまで

全身びしょぬれ

しかも自分一人でも立っていられない程の風速の中、

お棺を霊柩車まで手で運ばなければならないのです。

大人10人がかりで運んでも暴風でお棺が飛んで行きそうなくらいの

感じでした。

お棺を運んでいる方は「必死」でした。

何とか霊柩車まで運び終え、全員びしょぬれの出棺でした。

特に着物をお召しなっておられた女性はかわいそうでした。

さて、私はやっとの思いで出棺でき暴風雨の中お葬式の片付けを

している時にもっとも過酷な状態に遭遇しました

なんと、隣のビルの屋上から畳10畳ほどの大きさの看板

ものすごい音ともに風に煽られ落下してきたのです。

落下した場所は片付けをしていた私から

わずか5メートルの位置でした。

あと少しでもずれていたら・・・・

私は既にこの世にいないかもしれないですね。

本当に恐ろしい体験をしました

残念ながら台風が来ると必ずといっていい程、日本のどこかで被害に遭われ

お亡くなりになる方がいらっしゃいます。

フューネでも過去に台風でお亡くなりなった方のお葬式をお手伝いさせて

いただいたこともあります。

このようなお葬式に遭遇すると、誰もが嵐が過ぎ去るまで安全な場所に

じっとしていられればよいのですが、仕事などでどうしても暴風雨の最中に

外に出ないといけない場合もあるのだと改めて

実感します。

台風の中で行なうお葬式はこれからも避けることはできないと思いますが、

「お葬式を無事行なうこと」が、私の願いです。







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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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