人が亡くなるのは予測がつきにくいものです。

それでも、夏より冬の方が亡くなる方が多いとか、季節の変わり目には

お亡くなりになる方が一時的に多くなるという予想はできます。

けれども大まかな予想は出来ても

「何月何日は亡くなる方が多い」

なんて予想は難しいのが現実です。

もしも、予想ができれば葬儀社は人員を適切に配置することが出来、

大幅な人件費の圧縮に繋がるのですが、こればかりは無理そうです。



お葬式をご依頼を頂くのは24時間365日いつ何時にご依頼を頂くのか

わかりません。

葬儀社はそのいつやってくる判らない「もしも」のご依頼に対応する

為にほとんどの業者が365日24時間営業もしくは体制を敷いています。

フューネの場合夜間の対応は電話対応の事務員が1人。お葬式の

打ち合わせをする営業員が1人。そして霊柩車を運転する運転手が1人の

計3人で夜間の突発対応に備えています。

フューネくらいの葬儀社の規模としては毎日3人の夜間対応は人数的には

多いほうなのですが、これも夜間でも素早い対応をする為のギリギリの人数

なのです。

本来はこの3名がうまく連携して夜間に頂くお葬式のご依頼に順番に対応する

計画なのですが、実際はそうは簡単にはいかないことのほうが多いのです。

なぜならば、お葬式のご依頼は集中してしまうことが往々にしてあるのです。

フューネでは滅多にないことですが、過去にはわずか10分の間に

4件のお客様から同時に葬儀のご依頼を頂くなんてこともあります。

そのときはどうするか。

自宅待機の社員を起こして

緊急シフトを組んで対応しています。

とにかくお客様の一大事に少しでもお待たせする訳にはいかないですからね。

今のところ深夜にどんなにお葬式のご依頼が集中しても2時間以上

お客様をお待たせすることなく、対応が出来ているのはフューネ社員が

緊急呼び出しに快く応じてくれているからできることなのです。

葬儀社によっては夜間のご依頼が複数のお客様によって重なったときは

朝までお客様にお待ち頂くことを要請して対処しているところもあるくらい

ですから。


私が修行をしてした葬儀社は私がいた当時でも月に450件程のお葬式を

施行する地域一番店でした。

それでも夜間は2人の営業員と1人の営業補助員、1人の事務員さんの

計4人で担当するシフトでしたが、ある夜はお葬式のご依頼が

なんと10分間で17件も集中したことがあります。

営業員であった私も10分の間に次から次へと電話をとって対応したのですが

これだけ集中してしまうと最早どこから対応したらよいのかわからなくなって

しまいました。とりあえず、病院へのお迎えは外注先の霊柩車の運転手さん

ひとりで順番にお願いして、私は次から次へと打ち合わせをこなしましたが、

それでも夜間の間に打ち合わせができたのは4件ほどもうひとりの営業マンを

合わせても8件だけで、後のお客様は朝までお待ちいただくことになってしまい

ました。

いくらご依頼が集中したといっても、長時間お客様をお待たせしたのは

本当に申し訳ないことでした。




できれば、コンスタントにお葬式のご依頼を頂けると・・・助かる。

一度は葬儀業界に関わった方なら誰もが考えることですが、

葬儀の現場では絶対に叶わぬこと。

葬儀社として1件のお葬式のご依頼を頂くことだけでも

とってもありがたいことなのですから。