お棺に納める

映画「おくりびと」で有名になった納棺師

さすが、大変心のこもった納棺をします。

納棺をするという仕事は納棺を専門としている納棺師のような職業でない

葬儀社の社員も納棺をすることは重要な仕事です。

しかしながら、お葬式の施行を運営する葬儀社であっても残念ながら

全社員が納棺という仕事をしているわけではありません。

フューネの場合、亡くなられた方をお棺にご丁重にお棺に納める「納棺式」を

行う社員は全社員の約2割の社員に過ぎません。

おそらくお客様から見た一般的なイメージは葬儀社の社員ならば、

誰もが納棺をする仕事に携わっていると思っている方もいらっしゃると

思いますが、多くの葬儀社では現実的にはほんの一部の社員のみなのです。

納棺のお仕事をするということはすなわち「ご遺体をさわる」

いうことですがご遺体をさわらなくなった葬儀社の社員が増えていることは

フューネに限らず、葬儀業界全体の問題だと私は思っています。




もちろん「出来ない理由」というものはあります。

多様化する葬儀サービスの商品に対応する為に様々な職域の社員が働く

ようになり葬儀の現場に携わらない社員が増えたのが一番の理由ですが、

納棺という仕事を納棺師を代表とした委託業者に委託してしまう

葬儀社もあるのです。

そして、フューネの場合はさらにもうひとつの理由があります。

それは「ある一定のレベル以上の納棺式が

出来ない担当者には納棺という大切な仕事を

させない」


という創業以来の厳格のルールがあるからです。



お棺に納めるという物理的な行為は私たちプロがするまでもなく、

誰でもできるとても簡単なことです。

しかし、亡くなられた方をただお棺に入れるということは

亡くなられた方の尊厳を傷つける行為であり、私たちが

行うことは決して許されるものではありません。

つまり、絶対にやってはいけないことです、決して非常時でも許されません。




東日本大震災で納棺に携わったある葬儀社の社員は2か月近く休むことなく

だだひたすら納棺をしました。

次から次へと安置所に運ばばれてくるご遺体に対し、それでも可能なかぎり

メイクをしたり、体を整えての納棺作業は決して手抜きをすることなく行われた

ことは同じ仕事をしている私にとってもとても素晴らしいことだと思います。

それでも通常の納棺式のように30分以上の時間をかけることが出来ず、

一体につき平均15分くらいの時間しかかけることが出来なかったことを

悔やむという被災地の現状なのです。



さて、8割の社員が納棺という仕事をしていないフューネの現状では間違いなく

非常時の対応ができるとは言い難いありさまです。

東日本大震災並みの大災害が起こった時に備えて、フューネが提供する

高品質の納棺式が提供できる社員を増やすことは今後改善して

いかなければならない経営課題ですが、「お棺に納める」という仕事は

葬儀社が葬儀社である為の魂そのものだと思います。

なぜならば、被災地の現場でもっとも心のこもった丁重な納棺をしていたのは

警察でも消防でも自衛隊でもなく、間違いなく葬儀社の社員なのですから。



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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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