「エゴイズム」という言葉の確認です。

利己主義とも訳される通称「エゴ」という言葉は自分の利益を

中心に考えて、他人の利益は考えない思考や行動のことです。

最近、エゴとは言わずに「自己中(ジコチュー)」とも

若い世代を中心に言いますね。



誰もが、自分自身の我が身はかわいいものであり、他人の利益より、

自分の利益を優先に考えてしまうことは仕方のないことですが、

何事も度が過ぎることは絶対にいけません。

自分の子供の可愛さのあまり、学校での扱われ方が少しでも不満があると

すぐにクレームをつける親。モンスターペアレントと呼ばれて

いますが、このような方はまさにエゴの塊です。

運動会の徒競争に順位をつけることを止めたり、学芸会で主役ばかりの

不思議な演劇はまさにエゴが埋もれた滑稽な光景です。

このような事態になるのはエゴマネジメントがうまく出来ていないのです。

管理をする側は関わるすべての人々のエゴをコントロールする責任が

あります。

日本人は古来より、「和」の精神を大切にしてきました。

「和」の精神とはすべて起きたことを話し合いで解決することです。

話し合いの中では各々のエゴとエゴのぶつかりあいを行うわけですが、

話し合いの末、決まったことには全員が不服を申し立てずに従うという

原則と貫いてきました。

つまり、日本人にとって「和」の精神こそ、最高のエゴマネジメントなのです。

しかしながら、和の精神が崩れかけ、「個」を尊重する世相の中では、

エゴマンジメントという考え方が管理者にはとても重要です。

これは売り手が買い手に対するエゴマネジメントも含まれています。

つまり、お客様のエゴをコントロールすることが出来なければ、

商売そのものが崩壊してしまうこともあるのです。



お葬式の現場においても、ひと昔と比べるとお客様のエゴで

よく揉め事が起こっています。

「村のしきたりを無視して」

「家族だけでお葬式をするなどけしからん」

という親戚やご近所の方と揉める揉めていることも。

時として、お金を払えば自分思い通りにお葬式をすれば良いという

お考えの方が喪主となり、他の親族や地域の方とも一切相談することなく

決めてしまうとこのようなことが起こるのです。

ひと昔前までは村でお葬式が発生すると寄合があり、そこでお葬式の方針を

決めるといった村中心の葬儀運営でした。確かに喪主はお金を払う立場では

あっても時としてお葬式に関して一切の発言権が与えられない

こともあったのです。

今、都会を中心にそのような寄合は無くなった為にそれぞれのエゴを

コントロールする機能が失われてしまいました。

ですから、私たち葬儀社がお客様のエゴを集約してお葬式のプランを

組み立てて行かなければならなくなりました。

葬儀社にとってエゴマネジネントが重要なテーマなのです。



ところで、通夜・葬儀の時間に平気で遅れてきたご親族のお客様が

不機嫌なご様子で開口一番、

「私の席が無いのだけど」

お客様とはいえ少しエゴが強すぎです。

その上、「無い」と回答すれば、お叱りを受けることも。

フューネでは開式30分前には優先的にご親族のお客様に席に

座って頂きます。一人でも多くのお客様に席を確保する為に、

その上で空いている親族席を一般のお客様に解放しているのです。

喪主様にもご親族の方は開式1時間前までにご集合頂くように

ご案内をしています。

もちろん、可能な限りの対処はしていますが、開式後に絶対にお席が

ご用意できる保障はありません。

いかなる事情があるとはいえ、せめてお身内のお葬式ですから余裕を

もったご来場を心よりお待ち申しあげています。