若者の価値観

10月22日付中日新聞のコラム「中日春秋」にこんな記事がありました。

四万人近いファンが葬儀に参列したカリスマの死から、もう十九年になる。若者の孤独と怒りを歌い、人気絶頂の中、二十六歳で急死した歌手尾崎豊さんを追悼する「尾崎ハウス」(東京都足立区)が、取り壊されたという記事を感慨深く読んだ

▼十代の「代弁者」といわれた尾崎さんだが、最近の若い世代には通じないらしい。ゼミで尾崎さんの歌詞を一緒に読んだ私大の教授は、失笑する学生ばかりだったことに驚いていた

▼十年近く前、精神科医の香山リカさんが学生に調査した内容を思い出す。「何を怒っているのか分からない」「ひとりよがりで不愉快」などと否定的な意見が多く、尾崎さんの歌詞に共感できるという学生は百人のうち二人だけだったという(『ぷちナショナリズム症候群』)

▼中東のリビアではカダフィ大佐の死亡が確認され、四十二年に及ぶ独裁体制は完全に消滅したが、チュニジア、エジプトと続いた民衆革命の原動力は、ツイッターなど新しいメディアを使いこなす若者だった

▼日本でも、震災ボランティアや脱原発デモの中心に若者がいた。ストレートに感情を込める歌を暑苦しく感じても、政治や社会への関心が薄れたわけではないはずだ

▼尾崎さんが叫んだ時代より、格差社会化は進み閉塞(へいそく)感が強まっている。それを打ち破る主役は青年以外にはない。格好のお手本は海外にある。


尾崎豊の歌詞に共感し、辛いときや苦しい時に曲を聴いたり歌ったりした私

とは間違いなく現代の若者とはギャップがあることが実証されてしまった

ような記事内容ですが、若者の価値観の変化が新たなる価値観を生み出して

いることは間違いないはずです。

たとえば、車に興味のない若者、

ビールを飲まない若者、スキーをしない若者


は現代の象徴的な変化だと思います。

そして、私にとって一番、恐いのは

「葬儀をしない若者の存在」です。




年齢や性別に関係なく大切な人が亡くなって悲しい気持ちは誰もが持つ

共通の感情だと思いますが、問題は悲しみの表現の仕方が違うのです。

若者の中には葬儀の中で行われる寺院様の読経もバックミュージック程度

にしか思っていなくて、なんで必要なのかと私たちに問い詰める方も

いらっしゃいます。

そして、会社や団体などの社会生活の中で、要求される葬儀の参列義務も

理解できないと言われる方も数多く存在するのです。

「お葬式をしない若者の存在」は葬儀の形態すら、無宗教葬

家族葬、そして、遺体処理だけの直葬の普及に

大きな影響を及ぼしているのです。




少子高齢化と言われる時代でも、若者の持つ発言力やパワーは文化の

形成に大きな影響を持っています。

私たちは価値観を変化を嘆くのではなく、受け入れて変化に対応して

いかなければなりません。




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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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