引っ越し

地元豊田市にいると自動車関連企業において紙キレ一枚で世界中に

転勤になってしまうことを間のあたりにしていると、つくづく

グローバル企業に勤めることに大変さを感じます。

確かにサラリーは高収入であり、福利厚生も充実していますが、

その分、仕事に対する責任の重さは中小企業の比ではありません。

その点、中小企業は転勤といってもせいぜい県内のどこかという

ことが多く、フューネにおいては豊田市・みよし市の拠点しか

ありませんから、転勤にはまず引っ越しが伴うようなケースは

ありません。

転勤しても引っ越さなくても良いということは意外に認識されて

いない中小企業に勤めるメリットだと私は思うのです。



さて、ご先祖様から頂いた土着の土地で農作業をして代々その土地に

住んでいる人のほうが圧倒的に少ない現代では引っ越しは人生の中で

頻繁にしなければならない行事といっても良いのです。頻繁に引っ越し

をしている人は家財さえもコンパクトにまとまっており、必要最低限の

家財しか持っていない方も多いのです。引っ越しの際、葬儀社である

私たちによくご相談のあるのは仏壇の引っ越しです。

仏壇の引っ越しをするには「魂(しょう)抜き」と言われる

儀式をしなければなりません。仏壇自体には、故人の霊は宿らない

とはいえ、仏壇に安置されている位牌は、故人そのものであり、故人の

霊が宿っているとされています。その位牌が安置されているのが

仏壇ですからお寺様を読んで読経をしていただくことになります。

そして、仏壇の移動が完了したら、一刻も早く、ご先祖様が位牌に

お戻りいただけるよう、魂入れをします。故人の魂を、位牌に

入れることです。



仏壇を引っ越しすることが増えている現在、頻繁に引っ越しをする方が

仏壇を敬遠している方も増えています。いわゆる「手元供養」

いわれる品々はひとつひとつがコンパクトで持ち運びには

非常に便利です。

そして、今多いのがお墓の引っ越し。

転勤の度にお墓を引っ越しする人がまずいませんが、定年退職後

故郷に帰ること選択しなくなった方が故郷から、終の住かにする

予定の場所にお墓を引っ越しさせるのです。



住居の移動が厳しく制限されていた江戸時代には全くと言っていいほど

なかった引っ越しですが、今の時代の引っ越しは本当に世界レベルで

考えて行かなければなりません。



















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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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