お墓の現代事情

ひと昔前と比べて「お墓」を作る方が減ってきています。

もちろん、不況などによる経済的な理由でお墓を建てる方が減っていることも

事実ですが、やはり根本的な理由はライフスタイルの変化

価値観の変化が大きいのです。

2009年5月4日付ブログ記事「日本人は遊牧民族?」

述べさせて頂いたとおり元来お墓というのは

自分の土着する土地に建立するものです。

つまり、仕事の関係でふるさとを離れ、暮らしている方が多い現代では多くの

日本人が最早、土着する土地を失っている難民なのです。

元来、土着していた土地にお墓がある場合は普段容易にお墓参りが出来ない

為にお墓参り自体が一大行事になってしまいます。

それが「お墓参り旅行」

お墓参りと絡めて温泉や観光地を巡ることを家族で楽しむといった旅行は

楽しいものかもしれませんね。

年中行事で毎年家族で楽しみながら「お墓参り」という方がいらっしゃいます。

これは先祖代々土着する場所が定まっている方にはありえない事で

定まっていない方だけの特権です。



さて、現代ではお墓を建てるといえば墓石を建立することですが、

起源をさかのぼれば、石器時代のごみ捨て場である「貝塚」から

石を抱いた格好で埋められているお骨

発見されました。

石器時代では「貝塚」が墓場の役割も果たしていたのですが、

ごみと一緒の処理ということが現代では到底考えられないのです。

石を抱いた格好になって発見されたのはおそらく、亡くなった方の

タタリを恐れて、死体に重しの意味で石をのせたと考えられています。

これが墓石のルーツなのです。




ところで、墓石を立てるという行為はこのルーツから考えると

随分、贅沢な行為なのです。

明治時代以前はお墓に墓石を使用している方は地位の高い方であり、

金銭的余裕がなければできませんでした。

一般庶民はお墓には墓標(木の板)のみの簡素なものです。

考えてみれば、国民の誰しもが墓石を建てるというのは少し異常な状態

だったのかもしれません。

お墓(墓石)を建てないという選択が増えた現代はちょっと前までの常識と

比べれば少しだけ正常に戻っただけかもしれませんね。





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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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