ターミナル

日本ではターミナル駅というと、巨大な駅のことを指すことが多いの

ですが、欧米でターミナル駅というと笑われてしまうくらいのちっぽけ

の駅のことを指します。

東京駅や上野駅のことをターミナル駅といいますが、これは「ターミナル」

の日本語訳である「終末」という意味で「終着駅」という意味で

使われています。

日本では「終着駅」とは上京する時の目的地の意味もあり、そこには

人生の夢や希望も込められています。

しかしながら、欧米では終着という意味では確かに同じなのですが、

「最果て」という意味で使われており、首都から最も離れた

辺鄙な田舎にあるひなびた駅のイメージなのです。

ですから、海外で大きな駅という意味で「ターミナル駅ですね。」という発言は

間違いなく理解して貰えません。



ところで今、医療の現場で重要視されてきているのがこの「ターミナル」。

死を目前とした患者の終末期を豊かなものにしようということであり、

「ターミナルケア」と呼ばれています。

「ターミナル」の語源は(Terminus)という言葉で「境界」という意味

を持っています。つまり、この世と死後の境界という意味でなのです。



人生の終末期とはまさに最終章であり、横文字でいえば

「エンディング」です。

どんな物語でもエンディングが悪ければ、せっかくの良いストーリーでも

台無しになってしまいます。

これは人生の終末も全く同じです。

では人生の終末期でもっとも大切な生き方とは

「1日1日大切に生きる」ことに尽きると思います。

おいしいお茶が飲めて良かった。花や緑が綺麗だ。お風呂が気持ちよいな。

ご飯を残さず食べれた。自分の足でトイレにいくことができた。

およそ、健康の時には気付くことさえ忘れてしまう

当たり前のことに「ありがとう」と感謝する心を患者さんに

気付かせてあげることがすべてなのです。

それだけで、その人の人生が豊かな人生であったという結論に

繋がるのです。




「ターミナルケア」はこの世とのお別れである死が迫ってくる人々をできるだけ

苦痛少なく新しい世界へ移してあげる援助です。

悲しむべきこの世との別れの境界の位置に立っている私たち葬儀社は

境界線の両方をよく理解することがもっと重要な勉強なのです。








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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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