おかわり

日本人は元来、大盛りやLサイズの料理を頼むより、おかわりを頂く

食べ方が昔から受け継がれてきた文化です。

ご飯を2杯3杯とおかわりすることの方が美しい作法とされています。

麺類においてもわんこそばらーめんの替え玉など、

おかわりすることを楽しくさせる文化も日本ならではです。

欧米であれば間違いなく何かにつけジャンボサイズを作ってしまうのが

あたりまえなのですが。



ところで、亡くなられた方に捧げる一膳飯(枕飯)

山盛りにご飯を盛ります。これには、

「(もう我が家では)おかわりはもう出来ませんよ」

という意味が込められています。



おかわりが出来ないということはその家との縁を切るという意味です。

決して戻ってきてはいけない人に捧げるのが山盛りのご飯なのです。

家を出て再び帰らぬ時に供するのは一膳の飯に限るのが

古くからの習わしです。今ではなかなかお目にかかれませんが、

お葬式のときに限らず、嫁入りの際の家族との別れの食事は死者に

捧げる時と同じ意味の一膳飯なのです。

家に出戻って来ることは許されませんでしたから。



おかわりをするという時の作法として、お茶碗のごはんをすべて食べて

しまってから、主に差し出すのではなく、一口分のごはんを残して差し出す

という作法はご存じでしょうか。

お茶時のとき懐石料理にはこの作法はあたりまえです。

一口残したごはんにはおかわりが欲しいという意思表示という意味も

もちろん含まれていますが、お招きいただいた家との「縁」を切らない

という意味が込められています。

「おかわり」という作法に「縁」が込められているからこそ、

「縁」を切るというお葬式の作法も生まれることに日本文化の奥深さに

感じずにはいられません。








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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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