遺体は腐敗する

これまでに何度かご遺体が腐っていく状態の記事をブログで書いて

きました。人の死において必ずしも綺麗な状態で死を迎えることが

不可能なのが現実です。直近の記事では

2014年12月11日付ブログ記事「腐敗臭」では腐敗するご遺体からの

強烈な匂いについて書かせて頂きました。

ご遺体が腐っていくにつれて想像を超えた強烈な匂いは経験した

ことがなければ、表現するのは難しいでしょう。



地域の皆様が葬儀について、積極的にお手伝い頂いていた時代と

違い、一般の日常の生活なかで、一般の方がご遺体に触れるという

機会はほとんど皆無です。つまり、多くの人の場合、ご遺体を目にする

ことさえ、ほとんど無いのです。このような中で、ご遺体に関する

一般的な知識を持つ方も減っています。先日、読んでいた葬儀関連の

書物の中では「遺体は腐敗する」という一般常識さえも

持ち合わせていない人がいるという嘆きの投稿がありました。

ご遺体が腐るということ知らないで1週間、2週間後に葬儀をして

しまったというケース。

最早、笑い事ではないのかもしれません。

ひと昔の葬儀の現場ではご遺体の保全に対し、お客様のほうが詳しい

ようなことが頻繁にあったのですが、今は警察や自衛隊、もしくは

医療関係者くらいしか知識を持ち合わせていません。

戦争体験者にとって死は隣合わせであり、ご遺体の処置の経験のある

方がほとんどです。ですから、高齢な方にとってはご遺体保全の知識は

一般常識なのですが、戦後70年経った今、戦争の経験者はかなりの

少数になってしまっています。



腐敗したご遺体の処理をする時にいつも私が思うのは

「絶対に戦争はするべきでない」

ということです。腐敗したご遺体の放つ異常ともいえる悪臭が

日常であった戦時中は匂いだけでも地獄です。

日航ジャンボ機の墜落の時に遺体安置所であった体育館もご遺体が

放つ異様な悪臭であったいうことですが、多くの死体が散乱する

戦場には同じ匂いがあったはずです。

戦争を知らない私が戦争のことをバーチャルでしか感じないように

今の若い世代にとってもご遺体の腐敗はバーチャルでしか感じる

ことができないのです。


























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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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