口蹄疫 

口蹄疫の被害が拡大しています。

家畜の伝染病の中では最も伝染力の強い疾病のひとつで、宮崎県では

人の移動も制限されるほどの被害が出ています。

口蹄疫に罹った牛や豚などは感染の拡大を防ぐ為に「殺処分」される

運命に。

しかも、まだ病気に罹っていない動物までも近隣にいるだけで

「殺処分」の運命になるのです。



昨年、新型インフルエンザが蔓延しました。

幸い弱毒性のウィルスであった為、多くの方が感染した割には命を落とす方は

少なくて済みました。

牛や豚などの家畜にとっての口蹄疫も感染力は強くても命を落とすほどの

病気ではないのですが、畜産産業を守る為に「殺処分」となることに

なんとも辛い思いがします。

もし、人であれば強制的に隔離はされてもどんなに強力な伝染病でも

殺されることはないはずです。

手塩をかけて育てた畜産農家の関係者にとっては家畜は自分の家族同然。

このような形で家畜の命が奪われることに耐え難い辛い気持ちのことと

お察し申し上げます。



さて、私は「殺処分」という言葉の響きがどうにも好きになれません。

物質の処理を考えると確かに的を得ている言葉ですが、処分される家畜の

命をことを思うと「心」が無い言葉のように思います。

わたしは葬儀の現場においても、身寄りのない方や刑務所に収監され、

ご遺体の引きとりを拒否された方のお葬式を何度も担当させて頂きましたが

残念ながら「弔う」という心がどこかに置き去りにされた葬儀になって

しまうことがほとんどなのです。

物質的にみれば「遺体処理」の部分しかない葬儀であり、「お葬式」と

呼ぶのもどうかと思うくらいのレベルなのですが、間違っても「処分」

という言葉が使いません。

それが、人間と動物の違いと言ってしまえばそれまでなのですが

「命」を考えたときには私は平等な気がします。



今、病院から直接火葬場につれて行くという意味の「直葬」

年々増えていますが、これは一つ間違えれば「遺体処分」になって

しまう危険性があります。

お葬式は人間が他の動物と決定的に違うからこそ行なわれる文化的行事。

最近では研究の結果、猿やイルカにも仲間の死に対して「弔う心」

あることが判ってきています。

人間が人間である以上「弔う心」だけは決して失わないように

しなければなりません。



今回「殺処分」された多くの家畜たちの供養

行政の行なう対応策として是非検討して頂きたい項目です。








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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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