舞台「おくりびと」



先日、以前のブログ記事で何度かご紹介させて頂いた

舞台版の「おくりびと」を名古屋の御園座で観劇しました。

舞台のストーリーは映画版のリメイクではなく、映画の時代背景から

7年後という設定です。

すっかり、納棺師として誇りを持ち働いている主人公「大梧」と妻「美香」

の間に子どもが出来、小学校入学を控えチェロ教室に通うところから

物語はスタートです。

主人公が幼い息子に自分の職業を

正しく伝えることが出来ない苦悩や親の職業が「納棺師」

ということでチェロ教室でいじめられるシーンがあり、

笑ってしまうほど私の小学生1年生の頃に体験した経験と同じでした。



「職業差別」という言葉がありますが、私も親の職業が原因で

いじめられたという経験を過去に持ち、どうして

「葬儀屋」というだけで

人に嫌われなければならないのだ


と学校を登校拒否するくらい悩んだ幼少期がありました。

子どもの心にはとても重い命題でした。

幸い私はなんとかそのような苦悩を乗り越えてきましたが、乗り越えられない

人だっているのです。


一般的に大人より子どものほうが「死」に対する恐怖心というもの

強く、子どもの頃に経験する「死」というものは

大人になって経験する「死」よりインパクトが大きいものなのです。

また「死」そのものを忌み嫌うという日本人独特の文化が「葬儀屋さん」

そのものの社会的地位が向上しない原因の最たるものなのです。


しかしながら、近年では「おくりびと」に代表されるような「葬儀」関係する

映画やドラマのヒットにより、葬儀に対する認知度が向上し、

葬儀社に対する職業差別が年々減少の傾向にあることは間違いありません。

また、同時に若い優秀な学生さんが葬儀業界を一生の仕事として志す人が

多くなっていることもとても喜ばしいことです。




まさか、子どもの頃の嫌な思い出が舞台で一流の役者さん達により

再現される時代がくるとは。

今では笑って見ることができる子どもの頃の思い出です。



ところで今回、主人公「大梧」を演じた歌舞伎役者の中村勘太郎さんの

納棺の所作はとてもすばらしいものでプロ顔負けでした。

勘太郎さんの役者としての素晴らしさと納棺に関して本職である私たちが

負けていられないと痛感した素晴らしい演技でした。



舞台「おくりびと」

今回で終わりでなく是非、日本中で再演して頂きたいと願います。















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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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