おひとりさまの恐怖

 「トイレに閉じこめられた63歳女性、8日目救助 

訴え届いた日、母は天国に旅立った」


というニュースは私にとって衝撃的であると同時にいろいろと

考えさせられた事件でした。

事件の詳細はコチラ↓
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/101212/dst1012120855000-n1.htm


63歳の女性が自宅のトイレに入ったところ、廊下に立てかけていた

コタツセットの入った段ボール箱がドアに向かって倒れ、つっかえ棒の

ようになってしまい閉じ込められてしまいました。

その後発見されるまで8日間も閉じ込められたまま

生命の危険に脅かされました。

8日間も食料もなく水と塩だけで脱水症状になりながらも生きのびて

発見されたのは入院中の97歳の母親が閉じ込められて6日目に娘が

見舞いに来なくなったことを看護師に訴え、警察が救助したということです。

「奇跡の生還」といっても良いくらいのニュースであり、

ここまでは大変な目に遭ったが結果的に良かったと思うお話ですが、

この話にはその後があり、助かったその日に安心されたのか

お母さんが亡くなられたというまさに

ドラマのワンシーンのような展開なのです。

なんとも言えない実話なのですが少なくとも自分の命の限りが今か今か

という時に娘の安否を気にする親の愛情に素直に感動するお話です。

「いくつになっても親子は親子」

という言葉がぴったりと当てはまるお話です。



ところで今回閉じ込められた方は運良く助かったのですが、もしも助かることが

出来なかったらと思うととても恐ろしい話です。

そしてこのことは一人暮らしの方が誰しも持っている恐怖なのです。

仮にこの女性が心臓発作などで急死した場合を想定すると今回の場合は

死後8日後の発見であり、間違いなく腐敗が進行した状態で

発見されたことでしょう。

まさに「孤独死」の典型例なのです。

そして、一人暮らしでなくてもおひとりさまの恐怖はやってきます。

例えば家族のみなさんが海外旅行などで長期に家を空けており、

一人だけで留守番をしていた方が急死され、旅行から戻ってきた家族が

変わり果てた状態で亡くなっているのを発見されたという出来事も私が

担当したお客様でもありました。



あらためて考えてみればひとりで家にいることは決して安全なことでは

ありません。

「人は一人では生きていけない」

ということを改めて教えてくれる今回の事件でした。

最後に記事の中にある女性のコメントに印象深い言葉がありましたので

ご紹介します。

「会社に勤めているときであれば1日無断欠勤

しただけで、おかしいと家に訪ねてきてくれる

であろう。

お一人さまとはこういうことなのか」



人は知らず知らずの内に社会に支えられていることに気づいた瞬間の

印象的な名言だと思います。

少なくとも無断欠勤しただけで心配してくれる社会には属していたいものです。

おひとりさまの恐怖は誰にでも降りかかってくるのですから。












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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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