自治会の苦悩

今年は東日本大震災が発生し、被災地はもとより全国各地で「絆」という

言葉がもてはやされました。大地震などの大災害が発生した時の

近隣の住民との絆は自分自身のまさしく生命線になるという現実に

普段からの近隣とのお付き合いがこれまで通りで良いのかと考えずに

いられません。

実際に東日本大震災においても本来平常時に受けられる行政のサービス

はほとんど受けることができませんでした。

消防の救出、救急車の搬送、高水準の治安

そして、火葬場での火葬さえもままならないのが実情でした。




このような、実情を被災地の外に住んでいる人々がメディアを通じて

毎日のように見ていたはずなのですが、今、地域のでの自治会組織の

運営がうまくいっていない自治会が多いのです。

「仕事優先」「家庭優先」

という文句の下に役員を受ける人が少ないし、地域の行事にも率先して

参加する人が少ないという現実です。

確かに現代社会では平常時においては近隣の方と綿密な連携をしなくても

生活に困ることはありません。

昔なら、地域の方の助けを借りないと出来ないことでも、民間の業者が

サービスとして提供しており、地域の無償の労働力を比べれば、随分と高い

対価を支払うことになりますが、お金で解決するという方法が

多数生まれています。

考えてみればお葬式はその代表選手かもしれません。

ひと昔前までは地域の人々が祭壇の設営から、食事の準備、受付や接待の

手伝いをしていました。葬儀屋さんは葬儀を運営に必要な備品を貸したり、

ローソクや線香などの消耗品を用意するのみでした。

ところが、今は地域の方々が行っていた仕事はすべて葬儀社がお客様に

サービスとして提供しており、お客様は対価を支払うことにより、サービスを

受けられるのです。その結果、地域の方々のお葬式での出番は

全く必要のないお葬式の運営が可能になりました。




県や市などの地方公共団体が行うサービスだけでは生活に不具合が

あるから、本来それを補う為に自治会組織があるはずなのですが、

この原理原則すら忘れてしまう便利な世の中になってしまいました。

自治会が担っている業務や住民サービスもお金を払って管理会社に

業務も代行して貰うというところもあるそうです。

しかし、それでは東日本大震災のような非常時には絶対に機能しません。

非常時を考えれば、地域の活動は「絆」作りに無くてはならない大切なもの

なのです。

自治会の運営は苦悩が続きます・・・







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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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