新人葬祭ディレクターの苦悩

フューネクリエイトアカデミーの卒業生のからのレポートから。

新入社員から相談があった時のやりとりです。


「常務、ご相談がありまして・・・。実は、この仕事を辞めようかと考えているのです・・・。」
私は心の中で驚愕の声をあげたが、何とか平静を装いAくんをロビーへと誘った。
「最期のお別れに立ち会わせて頂くことが増えるようになってからというもの、ご遺族の方が涙ながらにお別れをしている様子を見るのが段々と耐えられなくなってきました。感情移入をし過ぎるあまりやるべき仕事が遅れてしまい先輩方にも迷惑をかけているのではないかとも思っています・・・。このまま仕事を続けて行く自信がありません。・・・。」
彼からの悩みを打ち明けられた時、不謹慎だとは思いつつも私は笑みを抑えることができなかった。
「君のその葛藤はとても自然なことで、まったくもって正しい悩みやで。君がこの仕事向いている何よりの証拠や。僕もその悩みは経験したし、去年の一年間の修行で完全に解決したで。だから君も大丈夫や」



おそらく現在、葬儀の現場で働くすべての人が一度は経験したことのある

悩みでしょう。私もなんでこんな悲しい別れの場面に毎日立ち会わなければ

ならないのかと自問自答したことを思い出させてくれました。

葬儀という仕事をする上で、仕事には慣れる必要はあっても、人の死には

決して慣れてはいけないのです。お客様の悲しみを和らげるには自分自身の

心をいつも健康にしておく必要があるのです。



このお話しは葬儀の仕事を職として志した人が通らなければならない

最初の大きなハードルかもしれません。

この先も同様な大きなハードルが待っているのですが、自分の仕事について

真剣に考えることはとても大切なことです。





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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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