生死の境目で

先ほどまでは元気だったのに、突然の発作や事故・災害に巻き込まれて

生命の危険にさらされる方が多くいます。

発達した医療において昔ならば「死」に直結していたことでも命拾いを

することも増えてきました。加えて、街中に設置しているAEDの

おかげで蘇生したケースも増えています。

ほとんど生死を分ける境界線での攻防はおそらく人間が人間である限り

永遠に続いて行くでしょう。



私たちたちの仕事は残念ながら、生死を分ける境界線を超えてしまった

方が発生した段階で始まります。

ご遺族様にとって例え余命宣告を受けていて覚悟をしていてもその

境界線の前後の出来事はとても辛い現実の時間です。

頭の中で「死んでしまった」という理解は出来ても心は受けれることが

出来ないという現実がそこにあるのです。

そして、境界線を越えた方の身体はまだまだとても「温かい」のです。

ご遺体というと「冷たい」というイメージがありますが、

人はお亡くなりなられて数時間は「温かい」のです。

人は身体が温かい間は「死」を受容することが出来ないものです。

それがだんだんと冷たくなって行くにつれて・・・

やっと「死」を受け入れることが出来るようになります。



冷静に考えてみると徐々に冷たくなる時間は実に絶妙な時間設定だと

思います。長すぎず、短すぎず。

本来私たち葬儀社の役目は冷たくなるまで何もせず家族だけの時間を

作ってあげたいと思います。しかしながら現実にはまずはそうは

いきません。病院は亡くなった時点から昼夜を問わず速やかに出て

いかなければなりませんし、事故や災害時には警察の検死も入り、

終わった時には既に冷たいものです。



病院に迎えにいった時のご遺体は決まって温かいです。

葬儀社の社員にとってご遺体に触れる時はほとんどの

場合が温かいという事実は何か間違っているような気がするのです。




















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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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