車いすの視点から

先月、連日の疲れからか胃腸風邪をひきました。

ここまでならば、只の流行りの風邪で済んだのですが、

手と足の筋肉に菌が入り、なんと一時は両手両足が全く動かなくなり、

完全に動けなくなりました。

まさか、風邪をひいて歩けなくなるなんて思いもしませんでした。

歩くたびに激痛が走る状態でしたが、参加をしなけばならない

各種の約束事に行くのに車いすを使用しなければならない状態に。

おかげさまで自分自身の情けなさと人の優しさを実感しました。



さて、生涯二度目となった車イスに乗ったのですが、乗ってみて感じた

ことは本当に皆さん「優しい」の一言に尽きるのです。

行きたい方向の道は空けてくれますし、車いすは代わる代わり押して

くれます。乗っている私の体調も気遣ってくれますし、荷物も持って

くれます。本当に優しさに感謝です。


しかしながら・・・

優しさがあだとなるありがた迷惑と感じることもありました。

ある会合で受付を通る前に車イスに載せられ、いつも受付で認証して

もらう駐車券が認証できず、会合が終わりそれに気づいて「受付」に

行こうというしぐさをしたら、後ろから「どこに行く」と声を

かけられ、このまま車いすを押され、受付とは反対方向に。

その内にしゃべっていて、私も駐車券のことを忘れてしまい、

また別の方が駐車場まで車いすを押してくれて、私の車の前まで送って

くれました。しかしその状態では車は出庫出来ず、また痛い足を

引きずりながら、上の階にいくことになりました。




また、別の会合で足が痛いということで気を使ってある後輩が車で

迎えに来て頂けるという申し出を頂いたのですが、何とか右足が

治ったので運転できるからとお断りをしたのですが、危ないから

どうしてもと再度説得され、お迎えをお願いしました。

会合が終わり、帰るかという時に、後輩が会場にいません。

聞けば仕事上の緊急があり、帰ったということでまたまた痛い足を

引きづりタクシー乗り場まで歩いて帰ってくるという事態に。。。




ありがたいのにありがたくない結果になってしまう。

本人は何も悪気はなく善意なのですが、このようなことは実は

サービスの現場でやってはいけない典型的な失敗例です。

お客様の為に親身になって考えそして、行動し、結果お客様に

多大なご迷惑をおかけしてしまう。。。

このような失敗をする人はお客様との距離感が間違った意味で

近すぎるのです。

昔、多くの旅館では布団を敷いてくれるのが基本でした。

しかし今では「サービスを控える」というサービスを

好まれるお客様も増えています。つまり、布団は自分達で

敷くから何もしないでということなのです。



葬儀というサービスもお客様が悲しんでいるからといって

過剰なサービスはしてはいけません。

泣いているお客様にテッシュやハンカチをお渡しすることが

一番と思って半ば無理やりお渡しするよりも、お客様の気づく位置に

ティッシュやハンカチをさりげなく置いておくことが大切なお客様との

距離感なのです。

大切な距離感とはお客様が何かしたいと思った時にお客様から必ず

見えるところにいること。もしくはその時点でお客様の望むことの

結果を出してあげることなのです。


サービスがおせっかいになってしまうのはプロとしてはご法度です。

只々、車イスに乗って見えたのはもしかしたら、フューネの

サービスがお客様から「おせっかい」になっているのではと

心配でした。





























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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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