列車への飛び込み

電車の運転士さんがトラウマになってしまうほど、嫌なことは

走行中の列車に向かって自殺を目的に飛び込んでくることです。

突然の出来事で何とも出来ないからこそ、嫌であり、辛いものです。

今ではホームの転落防止用のゲートが設置されている路線もあり、

転落事故で列車に轢かれて命を落とさずに済むこともあるのですが、

自殺を目的の場合はそのゲートも乗り越えてしまう訳で安全対策に

限界があることも事実です。




列車に飛び込むということは死後の姿は多くの場合、正常な人間の

姿ではありません。

実際に見た人でしか解らないとは思いますが、本当に「肉の塊」

という表現が一番正しいような状態になってしまっているのです。

このような時は警察の方々と協力して速やかにお棺の中に納めさせて

頂きます。そして、状態が悪ければ、お棺の蓋も開かないように

保全するのが常道です。

しかしながら、ご遺族の皆様からするとどうしてもお顔を見たいもの。

「ご対面はご遠慮されたほうがよろしいですよ」

と私たち葬儀社の担当者がお客様にアドバイスをしても、聞き入れて

頂けないことがほとんどです。

お客様から「どうしても」と言われれば、お棺の蓋を開けるの

ですが・・・

やはり、あまりにも変わり果てた姿にショックでという場面に

これまでも何度も立ち会ってきました。時にはそのまま気絶して

しまわれたお客様も過去にいらしゃいました。

これが列車に飛び込みに限らず、焼死・水死なども場合も一緒です。

このような場面に立ち会えば立ち会うほど、穏やかな死を迎えることは

本当に幸せなことなんだと思うのです。




公共交通機関を一人の身勝手な行為で止めるということは本当に

愚かなことであり、どれほどの人が迷惑をするのか考えて頂きたい

ものです。

しかしながら、死を覚悟している人にとってそのことはどうでもよい

ことなのでしょう。

それでも、変わり果てた姿になった肉の塊と形容しても良いご遺体

を丁重に扱う、警察・消防・鉄道会社そして葬儀社の方々の苦労を

知っている私だからこそ、列車への飛び込みによる自殺は絶対に

止めて頂きたいと強く言いたいのです。

さらに、列車の飛び込みがトラウマになって心に大きな傷を負い

運転士を辞めた電車の運転士さんがこれまでに数えきれないくらい

いることをなかなかニュースでは取り上げられませんが是非とも

知っておいて欲しいことなのです。





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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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