ゴミ屋敷の思い出

先日、ブログにてご紹介した「キーパーズ」社長の

「遺品整理屋が見た!」

改めて読んでみたら、自分の体験したゴミ屋敷のことを思い出してしまいました。

私が23歳の時の出来事でした。

その日は御通夜の担当から事務所に帰って来て、事務所で休憩していたら、

先輩社員から

「今、ご遺体の納棺を依頼されて2人で来ているのだけど

とにかくすごいところでどうしようもないからすぐ応援にきてくれ!」


といつも冷静な先輩が興奮して電話がかかってきました。

通常はちょっと訳ありの仏さまでもプロなら2人で対応できてしまうものなんですが、

たまに、自分が泣きそうになるくらいの現場に遭遇することもあり、

そんな時は先輩、後輩関係なく助けあいなんですね。

今でもその伝統はありますよ。

急いで応援に駆けつけたところ、亡くなった方の自宅の50メートル前から

死臭の匂いが・・・

近所の方も20人くらいハンカチで鼻と口を押さえながら

どうなることやらと私たちを見守っていました。

自宅の玄関まで行くともう想像を絶する匂いでした。

目の前はゴミ・ゴミ・ゴミの山

家の中もギッシリ。それもゴミが1メートルくらい積もっているところもありました。

よくまあこんなにたくさんって量でした。

おそらく4LDKの間取りでしたが、すべての部屋がゴミに埋もれてました。

おそらくこの下は畳があるのだろうなと思いながら

ゴミを掻き分けながらの進んでいきました。

犬猫のフンの匂い・ゴミの腐った匂い。

それに加えて強烈な死臭


匂いだけなら今でもあの時ほど、ひどい匂いにぶち当たったことはありません。

ご遺体は推定死後3週間~4週間くらい。

ご近所の方のお話では、このあたりでは有名なゴミ屋敷

日頃から悪臭が漂っていた地域ですから、死後の発見が遅れたとのことでした。

亡くなられた方は急な階段の2階にあるお部屋にいました。

お遺体は腐敗がかなり進んでとてつもない状態。

しかも2階もゴミの山。 亡くなられた方が寝ていたところだけゴミのない状態でした。

さて、通常だと急な階段の2階ではお棺の中に入れることもできず、

時には亡くなられた方を背負って一階まで降ろしてから納棺するのが常道ですが、

今回はご遺体の状態が悪すぎてできない。

困りに困って考えた方法は

屋根の上で納棺する  でした。

さらに8人に応援を呼び、屋根の上での納棺。

あまりの大事に見物人も50人近くになってました。

お棺をロープでしっかり結び、計12人で慎重にお棺を水平に保ちながら地上に

降ろしました。

もし、途中でバランスを崩して落としたら大変なことになります。

私が屋根の上で納棺したのはあとにも先のにもこの一回だけ。

ゴミ屋敷の壮絶な体験でした。






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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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