20年に一度

一家庭単位で見ると、その家からお葬式が発生するのは

「20年に一度」といわれています。

結婚式とお葬式の場合で10年に一度の計算です。

しかしながら、冠婚葬祭ごとは重なるもの

よく、孫の結婚式とおじいちゃん・おばあちゃんのお葬式が重なることがありますね。

半年以上前から決まっている結婚式の日取りを動かすわけにはいけない為、

結婚式が終わるまでお葬式を延ばすことがあります。

20年に一度といわれているお葬式もどうしても不幸が重なることもあります。

フューネでは3年以内にもう一度お葬式のご依頼を頂くケースが結構多くあります。

不幸が続くと「なんでウチばっかりこんな目に」

という気持ちになりますが、

そんな時は私はこの「20年に一度」のお話をします。

つまり、お葬式が重なればその家にとっては今後は当分不幸はない訳ですから、

確かに今辛いかもしれませんが、

悲しみを乗り越えてほしい。早く立ち直ってほしい

そんな気持ちでいっぱいです。

今から7年前の私が担当したあるお客様のお話です。

あるお宅のおばあちゃんが亡くなったということで自宅に打ち合わせにいきました。

おばあちゃんは遠方の病院で亡くなられて他の家族とともに

霊柩車で自宅に向かっているところでした。

自宅には留守番のつれあいのおじいちゃんが居て、私がおばあちゃんが亡くなった

ことを告げるとたいそうお悲しみになられました。

しかし、すぐに

「ばあさんのために葬式の準備をしなければ」

と仏壇の仏具を磨きはじめました。

私もおばあちゃんの到着を何もしないで待っている訳にもいかず、

おじいちゃんと一緒に仏具を磨きました。

おじいちゃんからおばあちゃんとの思い出ばなしを聞きながら。

はなしを聞いてこの夫婦の愛情と絆を実感しました。

翌日の朝、おじいちゃんは急に自宅のトイレで倒れられ、

そのまま救急車で運ばれ、その夜亡くなってしまいました。

本当にびっくりでした

お通夜はおじいちゃんとおばあちゃんの柩を仲良く並べての合同葬。

お葬式も同様でした。

夫婦揃って死ぬ時も一緒。残されたご遺族の方も

「仲がよかったけど、まさかお葬式まで一緒とは。きっと幸せなことなんだよね。」

といわれた言葉が今でも忘れられません。

そしてこのおじいちゃん、私が知っている中で、

自分のお葬式の準備をしてしまった唯一の人。

すごいことですよ、これは。ふつうありえません。

不幸が重なることは本当に悲しいことですが、ちょっぴりほほえましい

私が体験したお葬式でした。


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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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