清め塩



最近はお葬式から自宅へ帰り、自宅に入る前に塩を振ることをされる方は

ほとんどいらしゃいません。しかしながら、中には非常に気にされる方も

いらっしゃり、「清め塩」を求められるお客様もいらっしゃいます。

フューネではお寺さまが「清め塩」は不要と指導される

本願寺以外の宗派はお客様が「清め塩」を使用するしないに関係なく、

念のため必ず返礼品の中に「清め塩」をご用意しています。

「清め塩」を必要とする方が気にされるのは「ケガレ」

冠婚葬祭においては「ハレとケ」という概念が

非常に重要な要素になっています。

くわしくは以前のブログ記事「ハレとケ」をご覧下さい。

日本人にとって「ハレとケ」の文化は欧米からの文化が入ってきても本質は

変わることなく受け継がれてきた文化。

「ケガレ」を忌み嫌うことは昔ほど少なくなったとはいえ、

日本人の心の中に残っています。

「ケガレ」の中でも特に死穢(しえ)と血穢(けつえ)

もっとも忌み嫌うものとされています。

死穢とは「死」そのもの。またそれに携わる人々。

つまり、私たち葬儀社の社員は「ケガレ」の中でも死穢にあたって

しまうのです。

このことが現代社会においても

葬儀社の社会的地位がなかなか向上しない

一番の原因になっているのです。

いわゆる、昔から葬儀社に携わる人々が受ける「職業差別」

「ケガレ」の思想が問題なのです。

血穢とは血そのものを指すこともありますが、

月経のこと。すなわち、女性のことなのです。


男女平等の社会の中で何を言っているのだとお叱りを受けそうですが、

実際に長い歴史の中で女性の地位が上がらなかったのは

血穢の思想が原因

「男尊女卑」という身分差別はこれが原因です。

「大相撲の土俵に女性が上がれない」

のは血穢という「ケガレ」思想によるもの。

なぜならば、土俵とは塩と水で清められた聖域ですから。

女性の閣僚や首長が誕生し、土俵上で行なわれる表彰式に出られない

ことが発生する度に女性軽視の論議が生まれているのです。

それでも日本相撲協会は古来からの文化を守ることを選択しているのです。

さて、この「ケガレ」を一瞬の内に清めて「ハレ」と変えてくれる

魔法の道具が「塩」と「水」。

神社や前出の土俵では必須アイテムですね。

「清め塩」とは「ケガレ」を取り除いてくれると信じられる

魔法の道具なのです。

ところで、フューネ社員が営業にお宅に訪問すると

「縁起でもない!」

と玄関口で塩を撒かれるのはとってもショックなこと

葬儀に携わる私たちにはもっとも辛い瞬間です。

残念ながら「ケガレ」の文化の闇はまだまだ残っているのです。










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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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