日本人は「おかげさまで」という言葉を良く使います。

「おかげさまで」という言葉の響きが何となく心を落ち着かせ、

「安心」した気持ちにさせてくれます。

私もお客様や社員に向けてお話する時は「おかげさまで」という

言葉がしばし自然に出てきます。

この「おかげさま」という言葉はもともとは宗教用語です。

「蔭（かげ）」とは、神仏やご先祖さまの霊のことを意味して

います。私たちは常に神様や仏様、そしてご先祖さまの「蔭（かげ）」に

入っています。

つまり、「目に見えない大きくて不思議な力で守られている」のです。

「おかげさま」ということばが自然に出てくるのは私たちが

目には見えないこの力への感謝の気持ちが込められるからでしょう。

「支えられて生きている」からこそ「おかげさま」

なのです。



先日のあるお客様のお話。

お父様が亡くなられた娘さん２人にフューネの担当者が

「どんなお父様でしたか？」

と尋ねたところ、突然大きな声で号泣されました。

落ち着いたころを見計らって、「涙」の訳を聞いてみると

フューネの担当者がこのような質問をしたことで、

「今までお父様に支えられて生きていたのだ」

と初めて「気づいた」のだと教えてくださいました。

お父様の蔭（かげ）で生きたきたことの感謝が号泣に繫がったのでしょう。

「失って初めて気づく大切なもの」は人それぞれあります。

気づいた時、それが「感謝」に繫がることは人としてとっても大切なこと

ですね。




「おかげさま」という言葉。

「人間は誰かの支えがなければ生きていけない」

ということを教えてくれる究極の言葉です。