香典の領収書

私が葬儀業界に入った新人の頃、お葬式の受付で受付の係りの方と

ご弔問のお客様で間でトラブルが起こりました。

弔問客「領収書をください。」

受付係「香典の領収書なんて出せる訳ない

じゃなか」


というような言い争いに。

担当者として争いの間に入った私は

このご弔問客に対して「香典に領収書は出しません」

と自信を持ってお答えしました。

この時の私は自分の持ってきた香典の領収書を請求するなんて

常識のない方だなぁと思ってしまいましたが、

このことを直属の上司に報告すると、上司は血相を変えて

私を叱りました

北海道は香典の領収書を発行するのが

あたりまえ


怒られながら「えっっ」と驚いた私。

まるで昨日ことのような懐かしい失敗話です。

おそらく前述のお客様は北海道からお越しのお客様だったのでしょう。

今、思えば領収書を貰うのがあたりまえの方があたりまえの要求をしたのに

過ぎなかっただけなのですが、お葬式の地域性というのは時に既成概念さえ

も打ち破ってしまうものなのです。

北海道でいつ頃から香典に領収書を発行するようになったかは定かでは

ありませんが、北海道では随分前から行なわれている風習だそうです。

おそらく、日本中から様々な地域の文化を持つ人々が移住して地域社会を

形成した上の合理主義から来た発想だと思いますが、

逆に北海道以外の地域から北海道に弔問に行くと、香典を出すと目の前で

開封し、「〇〇さん 香典 金5,000円」と領収書を書いて

渡してくれる行為にたいそう驚くそうです。

この大失敗のあと何度かご弔問のお客様から

「香典の領収書をください」

と要求されてもちゃんと対応できるようになりました。

北海道では香典専用の領収書が存在しますが、フューネではその都度

手作りに作っています。

香典に領収書。この地域ではちょっとなじみのない葬送文化です。








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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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