また会える

人と人が別れる時の挨拶は日本語では「さようなら」ですが、

厳密には「さようなら、また会いましょう」なのです。

英語での別れの挨拶は「see you again」

中国語では「再見(さいちぇん)」です。

英語や中国語に限らず大方の言語では、別れの挨拶は

「また会いましょう」という意味の言葉となっているのです。



別れの挨拶なのに、もう二度と会うことが叶わない相手なのに

「また会いましょう」ではおかしいと反論を述べられる方も

いらっしゃると思いますが、このような反論を述べる方は

「別れ」の本質を見抜いていないのです。

つまり、別れとは「また会える」と思わない限り成り立たないのです。

夫婦や恋人同士の悲しい「別れ」も「さようなら」の向こうに

「また会いたい」という強い願望が含まれています。

実際に時を経て、再会できることはとても素晴らしいことですが、

夢や記憶の中で「再会」することは誰でも出来ることですし、

誰もが「会いたい」と願うことは人として自然な行為なのです。




実は「お葬式」でも「会いたい」と思う願望は皆同じ。

もうこの世では二度と会えないということは誰もが分かっているのですが、

別れの挨拶は「また会いましょう」なのです。

「この世で会えなければ、あの世で会えば良い」

そう思うからこそ、最愛の人との「別れ」に精神的に耐えること

が出来るのです。

突然の「死」の前に悲しみから立ち直れない方は

「ただ一時の別れ」だと思えないから悲しみが続くのです。

つまり、私たち葬儀社の役割は悲しみで取り乱しているお客様に対し

「これはただ一時の別れですよ」

「また会うことが出来ますよ」

教えてあげることなのです。

これが、「悲しみを和らげること」であり、

このことを学問的にいうと「グリーフケア」なのです。


私はお葬式の現場において、亡くなる寸前に残した最期の言葉が

「お先に」とか「またね」という言葉が残されたご遺族の皆様にとって

どれほど勇気づけられるかということを見てきました。

お亡くなりになられる方でもあの世に行っても「また会える」と思うからこそ、

心の平静がかろうじて保てるのでしょう。




「別れ」とは「また会える」と願うこと

これは国境や人種を超えても共通の人としての願いなのです。



















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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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