厚葬 薄葬

墳墓としては世界最大の面積をもつ仁徳天皇陵で、堀にすむ

外来種のブラックバスやブルーギルを狙って侵入する釣り人が絶えず、

管理する宮内庁が頭を痛めている。

といるニュースが流れていました。

エジプトのピラミッドや中国の秦始皇陵とともに世界三大墳墓

一つに数えられる日本を代表する古墳は世界遺産の登録を

目指しているそうです。

あくまでもお墓であるこのお堀で魚釣りはやはりマナー違反

いわれてもしかたない行為だといえます。

このマナー違反が結果として世界遺産の登録を見送られる可能性も

秘めており、日本にとって大きな損失にも繋がります。



ところでピラミッドもそうですが、このようなとんでもない大きなお墓は

現代の今では天皇陛下のお墓とはいえおそらく作ることも難しいくらい

お金も労力もかかることです。

単にお墓の大きさだけでなく一緒に収める副葬品もまた、豪華であり、

死後の世界でも寂しくないように

という想いと時の権力がこのような手厚く葬るお葬式の仕方

繋がったのです。

これを厚葬(こうそう)といいます。




古墳はある時を境にほとんど新しく作られることが無くなりました。

それは646年「大化の改新」からです。

大化の改新という大改革はそれまでの豪族の私地(田荘)や私民(部民)を

公収して田地や民はすべて天皇のものとするという公地公民制

租・庸・調という公民に税や労役を負担させる制度の改革が有名ですが、

同時に出された「薄葬令(はくそうれい)」が事実上古墳時代を

終わらせました。

薄葬令は施行の目的はズバリ

「権力者の葬儀に多くの財や労力を

費やすことはやめよう」


ということです。

この法律により天皇の陵にかける時間を7日以内に制限するなど、

身分に応じてさまざまな制限が設けられました。



現代のお葬式は言ってみれば古代の「薄葬」をさらにさらに薄くしたものです。

あえて表現すれば普通のお葬式は現代版の「厚葬」であり、

「家族葬」は現代版の「薄葬」そのものです。

葬送に多大な財や労力を費やさず 、残された者に過重な負担をかけないよう

にするという

「薄葬」の考え方は「家族葬」の考え方そのもの

であり、今に始まった考え方ではないのです。









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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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