男泣き

谷垣禎一自民党総裁の妻佳子(けいこ)さんが先日お亡くなりになりました。

長寿の時代ににはまだまだ若い死です。

奥様のお葬式で見せた谷垣総裁の涙がツイッター上で

賛否両論の議論になり話題になっています。

コチラをご覧下さい↓
http://togetter.com/li/150684




妻の別れに嗚咽を込めて男泣きする姿はかっこいいのか・悪いのか?

「武士は人前で涙見せるのか?

皆のいないところで大いに泣くのが男」


という意見から

「かっこ悪くない!男として夫としてカッコ良い。

理解できなきゃあなたの方がかっこ悪い!」


までまさに賛否両論です。





確かに喪主を勤める立場の人間は気丈に振る舞い、悲しみをこらえて

お葬式を遂行することが日本人の美徳だといわれていた時代

もありました。

しかし、悲しい時に泣くという人間の感情を素直に出すことは決して格好悪い

ことではなく、むしろそういったことを好む時代になってきているのではないか

と思います。

職場・近所・友人などの社会での関係を一切断ち切った家族だけのお葬式

である「家族葬」が近年増加傾向にあるのも、人目を気にすることなく

「泣きたいときにいつでも泣ける」

という家族葬ならではの利点が支持されていると思っています。

特に世の男性は家庭内の内に見せる顔と仕事場や公の場で見せる顔が

違う方のほうが普通です。

谷垣総裁が見せた涙は本物の涙であり、お葬式では亡くなった方への

供養のためには絶対に必要な涙ではないでしょうか。



確かに一国の総理を狙える位置にいる方が泣くというのは、

弱弱しく見えるという側面もありますが、この涙は「密葬」で流した涙であり、

公人としての涙でなく夫として最愛の妻を亡くした時のあたりまえの

人間の感情であることは間違いはありません。

おそらく、本葬の時は決して涙は見せないはずです。




お葬式には内向きの側面と外向きの側面があります。

本来、御通夜は身内のみで執り行い、ここで悲しみを気持ち発散させる

側面であり、葬儀・告別式は生前親交のある方を招く外向きの

公式な場所です。

しかし、今の通夜・葬儀にはこうした側面はほとんど見受けすることができず、

本来の意味も知らずに

「通夜・葬儀で2回もお参りにいくのはおかしい」

という間違った解釈をしている方もたくさんいらっしゃいます。

お葬式の持つ本来の意味の中にも

「亡くなられた方との悲しみを断ち切る」

という目的があります。

それはお経を上げることでもなく、焼香をすることでもなく、祈ることでもなく、

思いっきり泣くことが一番なのです。

泣きたいときに泣けるお葬式が今後、お客様ニーズにあっている以上

「家族葬」というカタチで今後ますます増えていくでしょう。



「男泣きはみっともない」という価値観は武士道に反しますが、

「男泣きに恋する乙女心」のほうが支持される日本の価値観に

変化しています。


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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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