大量死

今年も残すことあとわずかになりました。

毎年のことながら今年も多くの著名人の方が亡くなり、年末になると

お亡くなりになられた方を偲ぶ意味も含まれテレビ番組では

物故者の特集が組まれたりします。

毎年日本全体では110万人弱の方が亡くなられています。

今年の集計は来年の春まで待たなければ解りませんが、おそらくいつもの

年よりもお亡くなりになられた方が多いのではないかと思います。

ご承知のように東日本大震災では行方不明の方を含めて約2万人の

方がお亡くなりになっています。

その分だけは単純計算でお亡くなりなられた方は多いはずです。


一度に2万人近くの方が数日間のうちに命を落とすということは

戦争でも起きない限りそんな現実が待っているなんて誰もが思ってもいない

ことだったはずです。2万人という大量死の前に私たち葬儀社が出来る

葬祭サービスの限界を知った年になりました。

大量死の前に行った緊急措置としての「土葬」はとても多くの方に

ショックをあたえました。

産経新聞11月3日の記事で東京都大田区にある冠婚葬祭サービス会社

「くらしの友」の調査内容が新聞に掲載されていました。

この「団塊世代の葬儀観」調査は、7月に行われ

東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬に住む

団塊世代(昭和22年~24年生まれ)800人を対象に実施されました。

大震災の犠牲者の供養で、

「一番ショックを受けたこと」という質問の回答は

『火葬ができず、土葬しかできない』 47.5%

ということです。


『ご遺体を清めるなどのケアをしてあげられない』 30.6%

『故人が入る棺がない』 24.1%

『葬儀を行う施設がない』 22.4%

という意見が上位を占め、大量死の前ではお葬式すら満足に出来ないという

事実を私たちに教えてくれた大震災の教訓でした。


また、「被災地での葬儀で、最低限これだけは

あって欲しいと思うもの」という質問には

『火葬場』 50.4% 

『棺』 49.6%

『遺影』 21.5%

『供花』 21.3%

『読経』 19.5%

という意見がありました。




普段通りには行えなかった、大震災被災地での供養。

「火葬場」、「棺」、「遺影」等々。。。

普段はできることができないからこそ見えてくるお葬式でお客様が

必要としている必需品です。

普段は火葬場の重要性なんかクローズアップなんかされることはない

のですが、この大震災を機に各地で起きている新規火葬場建設に対する

住民の反対運動が少しでも収まると良いなと思ってしまいます。

来年は火葬場が処理出来ないくらいの大量死には決してならないような

平穏な一年になることを願っています。



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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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