お食事の振る舞い

お葬式のお仕事をしているとお客様から時としてお食事を

頂くことがあります。

葬儀会館で通夜が終わった後とか、初七日が終わった後とかに

頂くお食事はお客様がご用意した予定数量より、

実際に振る舞うお客様の人数が少なくてお食事が余って

しまった時は「もったいない」といういうことで私たちに

おこぼれが回ってきます。

お客様から余りものとはいえこの様なお気づかいはとてもうれしいものです。




少し昔話になりますが、葬儀会館でお葬式を行うことがまだ珍しかった頃は

自宅や寺院でのお葬式が当たり前でした。

ほとんどのお葬式でご近所の女性を中心した炊事係が炊きだした

お食事が大量に用意されていました。

私たち葬儀社の係員もほぼ必ずと言っていいほど、

喪主様からというよりご近所にお住まいのお手伝いの方に

「食事をしていきなさい。」

と勧められました。

お腹が一杯でも、自分の嫌いな料理でもお客様から勧められたものに

箸をつけないというのは逆に失礼になりますから、

「絶対に残さず食べろ!!」

と先輩に教えられていたものです。

料理の味付けもその家によって違うことがとてもよく解る経験であり、

今思うとお客様の自宅で毎回手作りのお料理を頂けるというのは

葬儀社の社員の役得でした。

料理の味が解っている自社の販売しているお弁当では

絶対に得られない経験ができたのです。



時として、お食事のオススメだけでなく、お酒のオススメも。

大抵の場合、「仕事中ですから・・・」

といってご丁重にお断りしていましたが、中には

「酒を飲まなければ
葬儀の司会をやらせない!!」


というお客様の強要も何度もありました。

その時はお客様の言いつけ通り、お酒を頂き、ほろ酔い気分で

お葬式の司会をしたことも今ではとても懐かしい思い出です。




今では本当にお客様のご自宅でお食事を頂くことは

ほとんど皆無となってしまいました。

時代の流れとはいえ、失われた葬送文化の風景ですね。




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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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