葬式の原点回帰

昨今、お葬式といえば家族葬というくらいの勢いで、家族葬を選ばれる

お客様が増えています。いわゆる普通のお葬式と違ってご近所・職域の

方々のお葬式の参加が無い家族葬は

義理だけの弔問客を排除できる

という利点もあり、喪主はじめご遺族様が

余計な気配りをしなくても良い

という簡略さが受けているからこそ、家族葬をご希望されるお客様が

多いのです。




一般的なお葬式と家族葬との違いは葬儀を施行する施主が

会葬者を限定できるかどうかという点に絞られます。

訃報を流し、会葬者を限定できないのが一般的なお葬式でなんらかの

限定をかけるてあるのが家族葬だからです。

なぜ一般的なお葬式は会葬者を限定できないかということですが、

一般的なお葬式は厳密には葬儀式告別式が同時に開催されて

からなのです。

葬儀と告別式を違いについては下記のブログ記事にくわしく記載して

あります。是非ご覧ください。

2009年5月8日「葬儀と告別式 その1」
http://fune.boo-log.com/e51495.html

2009年5月10日「葬儀と告別式 その2」
http://fune.boo-log.com/e51513.html





家族葬は葬儀式と告別式の内、告別式を取り除いただけとも

定義することもできるのです。

多くの方は「新しい葬送のカタチ」だと思うと思いますが、実は

葬儀式のみというカタチのお葬式は明治34年以前の時代に行われて

いたお葬式の形態に原点回帰しただけなのです。

日本で初めての告別式が行われたのは思想家の中江兆民の

お葬式でした。

「葬式をしないで死んだらすぐ荼毘に付せ」

という中江兆民の遺言に対し、彼の死を悼んだ多くの友人たちが

葬儀に加え無宗教式の告別式を開くことになり、それを新聞記事で

知った故人を見送りたいという一般の人たちが1000人も集まったという

記録が残っています。

その後、著名人が亡くなり本来近親者で執り行っていた葬儀とは別に

一般の人にもお別れして貰おうと告別式を執り行うことが増えてきて、

やがてそれが、一般のお葬式にも主流になってしまったのです。

これが、近代の葬儀文化の大まかな変遷であり、そして今、

またお葬式が原点に帰っていく風潮なのです。





しかしながら、一般の人たちにもお別れの場をという告別式の風習が

無くなるとは考えにくいです。

なぜならば、ご遺族・ご親族様以外の一般の人にも、故人への感謝

という気持ちや社会的な業績や貢献に対して敬意を払いたいいう

想いがあるからです。




これからのお葬式の形態を正しく選ぶにはまずお葬式の原点を正しく知って

その上で「告別式の開催」が必要であるか否かの判断が

分かれ目だと思うのです。






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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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