しきたりにこだわる

お葬式は様々な礼儀や流儀があります。それに加えて、しきたりもあります。

しかも、地域によってそのしきたりは様々です。

2010年1月7日付ブログ記事「香典の領収書」にてご紹介したしきたりは

北海道のでのしきたりです。香典を出すと葬儀の受付で

領収書を発行してくれるといういうものです。

北海道の方なら当たり前でも他の地域では「信じられない」

というしきたりは全国に多々あります。

日本テレビ系で放送されている「秘密のケンミンSHOW」

そのまま使用できるくらい面白かったり、信じられないような

お葬式のしきたりがあるのです。




さて、お葬式は地域によって違うしきたりが結果として地域色を鮮明に

出すことに繋がっており、全国で均一の同一価格、葬儀サービスを

提供することが難しい業界だと言われています。

その為、全国を全道府県カバーしている同一資本の葬儀社の存在がなく、

業界最大手の葬儀社ですら、全国シェア1%~2%のレベルです。

いかに葬儀業という仕事が地域に密着しているか解る実態なのです。

ところがお客様の立場から言えば、自分の知っている葬儀のしきたりは

全国共通だと思っている方が多く、地元の出身者でない限り、しばし葬儀社

の間でしきたりの違いによる見解の相違が発生します。

お客様第一主義の観点から言えば、基本的に喪主の考え方(しきたり)の

通りお葬式を進めていくのが本来なのでしょうが、お葬式の場合なかなか

そうはいかないのです。お葬式の行う地域のしきたりと無視してお葬式を

進めると必ず地域の方より大ブーイングになるからです。

そのような時は喪主様に当該の地域のしきたりをしっかりとご説明し、

ご了承を頂きます。

「郷に入ったら郷に従え」

先人の方はなんと素晴らしい教えを残したのでしょうか。

この格言は各々の持っている価値観や常識・しきたりを

もっともシンプルに統一できる魔法です。



昔から、喪主に遠方からお越しのご親族の方が

「やり方が間違っている」

とクレームをつけている風景は葬儀の現場では無くなりません。

その頻度も最近の方が多いような気がします。

私たち葬儀社から見て、喪主様が大変お気の毒なことだと思います。

しかし、クレームをつけている方も自身の経験や出身地のしきたりと

照らし合わせてよかれと思って注意している訳ですから悪気などありません。

悪気のないからタチが悪いのですが、喪主様が困って私たちに助けを求めて

くることがしばしあります。

できるだけ相手の自尊心を傷つけないようにとプロとしてご説明申しあげ、

大抵の場合はご理解は頂けます。しかし心から納得されてないことが

ほとんどでそれが顔に書いてあるのです。

中には露骨に嫌な顔をされる方もいらっしゃり、こればかりは私たちも

お手上げです。

そして、究極はこの地域では間違いなしきたりを無理やり押し切られる

ことが時としてあります。

こうなるともうお葬式が壊れるのは言うまでもありません。

しきたりにこだわりすぎるのは私たち葬儀社にとってとてもやりにくい

ことなのです。

















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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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