精進料理

「名門」と呼ばれるホテルも含んでメニューの表記について世間を

大きく騒がしています。善意でも悪意でも結果的に表記をしている物と

違う食材を用いていたとすれば、結果的にお客様を騙していたこと

になる訳で、世間的に厳しいバッシングを受ける結果になってしまいます。

このようなことが今後は通用しない世の中になるでしょう。

事業者が提供する情報をお客様が信用して商品を選択した結果、

違ったものが提供されることは当然、これまで築きあげた信用は

失墜するものとなります。フューネにおいても例え悪意がなくても

結果としてお客様を欺くような情報や表記をしないように細心の注意を

払っていかなければなりません。




さて、葬儀に関連した食事の中に「精進料理」というものがあります。

本来、四十九日の忌明けまでは仏教の教えでは殺生が禁じられており、

四十九日間も肉や魚を遠ざけるために頂く料理です。

肉や魚という食材を使えない為に極めて厳しい制約の中で生み出された

ごま油、豆豉、味噌、醤油、豆乳、湯葉、豆腐、油揚げ、納豆などの

豆を食材に使った料理は現在は和食の定番メニューになっています。

現在は49日の忌明けではなく火葬場から戻った後に行う初七日法要の際に、

僧侶や世話役などの労をねぎらう宴席として「精進落とし(しょうじんおとし)」

をやってしまいますから、精進料理を提供する必要がありせん。



精進落としについて詳しくは2013年3月10日付ブログ記事
「初七日後の精進落としの時間」をご覧ください。




ところが、昔からの風習として火葬場から戻って最初に食べる料理は

「精進料理」だと思っているお客様は非常に多く、また、「精進料理」の

意味合いをご理解されていないお客様がただ「精進料理」と言われることも

多々あり、時としてハプニングが起こります。

「精進落とし」の料理として出した食事に肉や魚が入っていたとお客様から

お叱りを頂いた時代はかなり前ですが、現在ではお客様のリクエストで本来の

意味合いの「精進料理」を提供すると

「なんで、刺身やエビフライが入っていないのだ」

と勘違いされたお客様からのクレームを頂くことがあります。

つまり、料理が貧弱であると意味合いです。

やはり肉や魚が入っていないと彩りも欠けますし、食事をしていても

ご馳走が入っていないように見えるのです。



フューネではお客様の勘違いを防ぐために初七日後に提供する料理は

「法要料理」と表記してあります。

おかげさまで何も問題は起きていませんが、本来は火葬場から戻って

食べる最初の料理は「精進料理」であることを知らない人がますます

増えていく現状を考えるとなんとも寂しい気持ちになります。






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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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