天皇の火葬

天皇陛下の葬法が火葬に決まったというニュースは葬儀の仕事に

関わるするものとして大変興味深く拝見しました。

メディアでは現在、流行っている「終活」と関連づけて「天皇の終活」

というフレーズを使用しているところもありますが、終活という

比較的軽めの言葉は天皇に対しては相応しくないと思います。

しかしながら、天皇陛下、皇后陛下さえもご自身の「終わり」を真剣に

考えることをしているということは、私たちの行う終活に大きな影響を

与える出来事だと思います。


平成25年11月15日付日本経済新聞の記事

宮内庁は14日、天皇、皇后両陛下の意向を受けて検討を進めてきた「今後の陵と葬儀のあり方」を発表した。陵の墳丘の形状は従来通りで、天皇・皇后陵が隣り合う形にし、敷地面積を昭和天皇・香淳皇后陵の8割程度にする。また江戸時代前期から続いてきた土葬を火葬に変更し、火葬のための新たな儀式を行う。

天皇の火葬は1617年の後陽成天皇の葬儀が最後で、葬法の歴史的転換になるが、他に大きな変更はなく、旧皇室喪儀令などに基づく戦前の形式が継続することになった。陵の予定地は東京都八王子市の武蔵陵墓地の大正天皇陵西側になる。

宮内庁は昨年4月、新たな陵と葬儀のあり方の検討を行うと表明。両陛下は武蔵陵墓地の用地に余裕がなくなっていることや国民生活への影響を少なくすることを考慮して検討を進めてほしいとの意向を示されていた。また一般社会で火葬が通常化していることなどから火葬を希望された。

陵は明治天皇陵から続いている「上円下方」の墳丘形式を踏襲。従来より大きさを縮小した天皇、皇后陵が並び立つように配置する。皇后陵は天皇陵より小さめになる



当初、天皇皇后両陛下は一つの陵に入ることを検討されたのですが、

美智子皇后が「畏れ多い」ということで隣に天皇陵より小さめの陵に

なることが決まったようです。

天皇の火葬は江戸時代初期以前に行われており、その当時に戻るということ

ですが、これで、日本という国で土葬という葬法はほぼ消滅するような

流れになっていくはずです。

東日本大震災の時に火葬場不足により仮埋葬という土葬の形態を

行った時に土葬に対するご遺族の拒否反応が色濃く出ました。

火葬には衛生上の優れているというようなメリットもありますが、

最大のメリットはご遺族の手元に遺骨が返ってくるということです。

火葬場でにてお骨を拾うという行為はご遺族にとってとても尊い行為に

なっているのです。



いつかは訪れる今上天皇の死ですが、いましばらくお元気でいて頂きたい

ものです。死を見つめるということは生きることに繋がるのですから。




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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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