葬儀をしない

昔から私が葬儀社を経営しているということを知っている方から

このように言われることが度々あります。

「葬儀はいいね。結婚はしない人がいるけど、人は必ず死ぬから。葬儀をしない人はいないよね。」

冠婚葬祭というカテゴリーで考えると少子高齢化の中、ブライダル業界の

苦境から考えると羨ましく思えるのでしょう。

しかしながら、現実はちょっと違うのです。

葬儀をしない人は結構たくさんいるのです。

人が亡くなると病院から火葬場まで直接行くという意味の直葬に代表される

ように、宗教者を呼んでお葬式をしない人は年々増えています。

確かに人は必ず死ぬのですが、死んだからお葬式をするという固定観念は

今や間違いではないでしょうか。例えが適当かどうかわかりませんが、

結婚はするけど式・披露宴はしないというケースと同じです。





葬儀をしない人の中で災害や事故で行方不明になっており、行方不明後

数年も経っているのにお葬式が出来ないという方もいらっしゃいます。

その他にもお葬式をしたくても出来ないという理由をお持ちの方も

いらしゃいます。

先日、フューネに葬儀の相談に来られたお客様は7年前に亡くなった時に

お葬式をやらなくて、とても心痛いので今からお葬式をしたいのですが

というご依頼でした。

事情を聞けば、7年前に亡くなった時に献体をして亡くなってすぐに火葬を

しなかったのでお葬式をしなかったということでした。

確かにご遺体無しのお葬式は意味があるのかという疑問も持つでしょう。

しかし、お葬式をするということの意義は元来、残された人の

「心」の安定の為にするものなのです。

「悲しみを断ち切る」「死を受け入れる」

と言った葬儀の持つ役割が残された人の心にどれだけ好影響を及ぼすかと

いうことは当事者が後からしか気付くことができないお葬式の本質なのです。





葬儀のプロとして言いたいのはたとえどんなに質素なお葬式でも良いから

お葬式をすることは絶対に必要です。

そうでなければ、若い頃、結婚式をしないで結婚した夫婦が晩年になって

結婚式をしたいと望むことと同じことを葬儀でも行ってしまうのです。















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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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