上用饅頭



お葬式の際に、お供え物として和菓子屋さんで買ってもって来る

饅頭に上用饅頭があります。

上の写真のような白い饅頭です。

この白い饅頭はお葬式の時に食べるイメージが強くて「葬式饅頭」

だと思っている方が多いのですが、上用饅頭はお葬式専用の饅頭では

ありません。むしろ上用饅頭は本来、お祝い事に紅白饅頭などとして、

よく用いられる和菓子なのです。

結婚式や成人式、上棟式などなど様々なお祝いの時に頂ける通称

「紅白饅頭」とよんでいる饅頭は厳密に言うと上用饅頭なのです。

上用饅頭は、本来「薯蕷(じょうよ)饅頭」と書き、この薯蕷は

大和芋、山芋、つくね芋などを指します。この薯蕷芋を饅頭の皮に

用いた蒸し菓子を「薯蕷(じょうよ)饅頭」と呼びます。

薯蕷(じょうよ)では読みにくいから「上用」という漢字を用いるように

なったのです。

上用とは高級という意味だと思っていた方もいらっしゃると思いますが、

実はこれも正解です。昔、和菓子は貴族など位が上の者しか食べることが

出来ませんでした。その為、上に用いる饅頭ということで上用饅頭と

呼ばれることも正しい意味合いなのです。

現在は誰もが気軽に食べることが出来る饅頭ですので、「上用」という

意味合いはどこか大げさなような気がするものです。




最近のお葬式では上用饅頭をお供えとしてお持ちになられるお客様が

減っています。理由は上用饅頭以外にも魅力的で美味しい

饅頭やお菓子があるということ。

そして、比較的日持ちがしない為、すぐに食べなければならないという

こと。さらに、そもそも上用饅頭を和菓子屋さんに買いにいっても

店頭に並んでいないということ。

このような理由があるのです。

実際にお葬式では一家族では食べきれないほどの饅頭やお菓子が集まって

しまい、バラして親族で分けることが多い現実の中ではせめて2週間くらい

の賞味期限のものが喜ばれることも事実です。

昔より、肩身が狭くなっている上用饅頭ですが、シンプルで素朴な

「美味しさ」だけは今も昔も変わりません。













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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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