ご遺体の取り違え

葬儀という仕事をする私たちにとって大変ショッキングな出来事が

新聞紙上を掲載されました。

「男女間違えて火葬 
所沢葬斎センターで遺体取り違え」

以下、産経新聞 12月19日(金)付記事を引用


埼玉県所沢市の葬祭場「さがみ典礼所沢葬斎センター」で今月6日、高齢の男性の遺体が女性の遺体と取り違えられ、女性の遺族のもとで誤って火葬されるミスがあったことが18日、同センター運営会社などへの取材で分かった。同社は両遺族に謝罪。男性の遺族は葬儀を取りやめ、女性の遺族は再度、葬儀をやり直したという。

 同センターを運営する「アルファクラブ武蔵野」(さいたま市見沼区)によると、6日午後2時ごろ、男性職員2人が霊安室に安置されていた女性の遺体と間違って男性の遺体を搬出し、女性の遺族に届けた。男性の遺体は9日午前、所沢市斎場で火葬。同日午後5時ごろ、系列の「さがみ典礼三芳葬斎センター」(同県三芳町)で男性の通夜の準備をしていた遺族が、棺に見知らぬ女性が安置されているのに気づき、取り違えが発覚した。

 関係者によると、男性の遺族のもとには火葬された遺骨が届けられたが、遺族は「本人のものなのか分からない」として受け取りを拒否。遺骨は現在、同社で保管しているという。

 同社によると、霊安室の遺体には通常、全てに名札を付けているが、2人の遺体には名札がなかったといい、経緯を調査中。同社は問題発覚後、男女で色分けした名札を付けるなどの対策を行っており、「二度とこのようなことがないよう、お客さまの立場でのサービス提供を心がけたい」とコメントした。



昨年、生後を間もない赤ちゃんの取り違え事件をテーマにした

福山雅治さん主演の映画「そして父になる」

6歳の息子が病院で取り違えた他人の子であったという事実の中で

被害者の葛藤と描いた考えさせられる映画を見ましたが、今回被害に

遭われたご遺族の方にとっても同様の想いが少なからずあるのでは

ないでしょうか。もちろん、赤ちゃんの取り違えとご遺体の取り違えは

重さは違うのかもしれませんが、葬儀社である私たちは同じ重さである

ことは間違いない事実です。



そもそもどうしてこのようなことが起きてしまったのか?

本来であれば、仮に葬儀社がご遺体を間違えてしまったとしても

出棺の前に最期のお別れをするタイミングでご遺族の方が「他人」だと

気づくはずです。

今回、間違いが起きたのはおそらく「直葬」といって最後の

お別れをしなかったのではないでしょうか。

実際に遺族が葬式に立ち会わず、葬儀社に丸投げしてしまうケースや

家庭的に崩壊をしていて納棺に立ち会うどころかご遺体を見ることを

拒否をしてしまうケースのお葬式が現実にはあるのです。

そして、もう一つが霊安室で複数のご遺体を同時に預かれる施設が

増えていることも一因です。今回は霊安室の遺体には通常、全てに

名札を付けていなければならないのに2人の遺体には名札がなかった

ということですが、それは明らかに施設担当者の職務怠慢です。




フューネでは霊安室は一部屋一体という厳格な基準がありそもそも

今回なような間違いは起きないようになっていますが、決して対岸の

火事ではありません。絶対に起きないように更なる対策をします。




昔では絶対に考えられないような今回の事件は現代の葬儀事情が

大きく影響しています。特に一つの葬儀会館で何件も葬儀が行える

施設を持つところはこうしたミステイクが起きる可能性は以前から

業界内で指摘されていたことも事実です。

その上で、遺族がご遺体を確認をすることさえ嫌がるという方が

増えてきていることも事実です。

こんなことが起きることは何とも淋しいものです。

と同時に葬儀社として絶対に間違いを起こすことができないという

ことに改めて、再確認できた私にとっては大事件でした。




























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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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