長距離搬送

霊柩車の営業用ナンバー(緑ナンバー)の許認可は「貨物」です。

法律的には人が亡くなった状態である遺体は人としては扱われないので

「旅客」にはならないのです。

さらに、「貨物」車両でもご遺体専用であるということで特殊貨物と

いうジャンルに分類され、ご遺体「限定」の貨物車両として、

よく見ると霊柩車に「限定」という表記がしてあるものがあります。




霊柩車両は基本的に他の貨物車両と比べて、走行距離が短いのが

特徴です。基本的には入院先の病院から自宅もしくは葬儀会館、

そして、葬儀会場から火葬場までの道程ですから、基本的に

同一の市内のみですべて賄えているのが現状です。

しかしながら、時折、遠距離のご依頼が舞い込んでくるのです。

特に最近はお亡くなりになられた方の故郷まで搬送して故郷でお葬式

をやろうと考えている方が増えています。

コスト的な面から考えますと遠く離れた故郷まで霊柩車で搬送する

よりもお亡くなりになられた所から最寄りの火葬場でお骨にして

お骨を運んで、故郷でお葬式をすることのほうがはるかに安いケース

が多いのです。ですが、お金の問題ではなくご遺体の状態で故郷に

返してあげたいと考えている子供さんの気持ちで長距離搬送という

選択が増えています。

一番の理由は年老いた親を故郷から離れた場所で暮らす子供たちが

呼び寄せることが昔と比べてすごく増えています。

仕事上の理由などで、故郷に帰って親の面倒を見れない子供たちが

親を呼び寄せる訳ですが、親にしてみたら年老いて見知らぬ場所で

死を迎えるというものは本当に心細いものなのです。

死の間際、「(故郷に)帰りたい」

と言ってお亡くなりになられる方も多いのだとか。




お金がかかっても、霊柩車で遠く離れた故郷まで搬送する行為は

子供の最後の親孝行であることには変わりはありませんが、

真の理由は「懺悔」という気持ちからなのでしょう。

そのような気持ちのお客様から長距離搬送のご依頼を頂く度に私たちが

心に刻む想いは故郷までの最後の帰り道は間違っても「貨物」では

なく「旅客」なのだということなのです。























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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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