社員の報告書より 自死(自殺)について

フューネの葬儀担当者が私に出してくれているレポートより

 

詳しく調べたことはありませんが、おそらく、自殺をするのは生物界のなかでもヒトだけだと思います。
 先日、2年前に息子(私と同年代)を自死で亡くされた方の三回忌法要、妻を同じく自死で亡くされた方の葬儀を担当させて頂きました。両家族は前を向いて歩こうを積極的に取り組まれていらっしゃいますが、第三者から見ると、その姿が痛々しく感じます。本人の死後の世界(浄土?)は見たことがないので素晴らしいとかはわかりませんが、残された家族の世界は決して良いものではないと感じます。自分の命は自分次第ですが、悲しむ人が居てくれるのなら、死なない方が良いと思います。向こうからこの世が見えるなら、2年経っても読経中に自然とこぼれ落ちた母親の涙をしっかりと目に焼きつけてほしいと思います。



日本の昨年(平成26年)の自殺者は25,427人

平成25年と比べて1856人も減少をしています。一時期3万人を超えて

いた時よりもかなり少なくなりましたが、それはあくまでも数値上の

ことで遺された遺族にとっては年間どれだけの人が自殺で亡くなろうが

それは関係の無いことで、悲しみが和らぐ訳ではありません。

しかもこの統計の自殺の定義は「遺書があるかないか」ということで

実際に遺書のない自殺者はカウントされません。

一説には年間15万人もいるとも言われています。



自殺をされた方の約3割がうつ病になり、病気として

「死について繰り返し考える」ようになるのです。

「自殺は、うつ病の症状の一つである」と考えることもできます。

うつ病は死にかかわるとても大事な問題なのです。

結果的に「死」を止めることがことが出来なかった家族は

後悔と懺悔の念に苛まれるというなんとも言葉では表現できない

不幸がそこにやってくるのです。




「『自殺』には命を粗末にした、という印象があり、残された者が

一段と傷つく」という声が一部の遺族から上がっているために

公文書などで自殺を「自死」と言い換える自治体が相次いでいるの

ですが、現実には自死という言葉は多くの方々が認識をする言葉

ではないのです。

葬儀社である我々もお客様の前では「自殺」という言葉を使わない

のように配慮をしています。「自死」という言葉すら、悲しみの

どん底にいるご遺族様にとっては受け入れ難い言葉であると思う

ので実際にはもっと他の柔らかい言葉を使用する配慮はしています。

しかしながら、悲しみという張りつめた空気の中ではどんな言葉でも

ご遺族様を傷つけるという事実は葬儀の現場では常識です。



悲しみにくれる涙を見る度にどんなことでも自らの命を絶つ行為は

阻止しなければならない、そして、親よりも先に死ぬのは

「究極の親不孝」であることを葬儀の現場でお客様から教えて

いただけているのです。





最新記事

最新記事

初めての方へ FUNE公式サイト

三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


2024

11

1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

PAGE TOP