葬儀の格

自動車には「車格」という格式があります。

これはなんとなくわかると思いますが、どんな人でも自動車を

乗り換えるだけで例えばホテルのエントランスで受ける待遇すら

変わってしまうものです。残念なことですが、軽自動車に乗っていると

いくらスピードを出していても後ろから高級車に煽られることは

多くの人が体験していると思います。

社会的地位の高い人は車格の高い自動車に乗ることで格式を保つという

側面は否定できない事実です。




お葬式にも「格式」というものが存在します。

生前に社会的に地位の高かった方々や何かしらの功績のあった方々は

比較的立派な祭壇を設営し、格式のある葬儀会場の設(しつら)えを

します。いわゆる普通のサラリーマンは普通のお葬式。子供の葬儀は

子供用のお葬式。生活保護者のお葬式は生活保護者として行政から

決められている最低限度のお葬式が保障されます。

一昔前ではこのような格式はほぼ正比例していました。

葬儀社としてもある程度、お亡くなりの方の職業や年代などで葬儀の

打ち合わせをしなくても葬儀の規模や格式が予想できたものでした。

しかしながら、現在のお葬式ではこの「格式」はお亡くなりになられた

方の社会的地位や職業に比例しなくなってきました。

大企業の役員クラスでも親族だけの家族葬でいう強いご要望で

飾る祭壇はこじんまりと。

逆に小学生のお葬式でもその人を表現する為に色とりどりのお花を

使用した創作祭壇を設営することもしばしばあるのです。



葬儀に求めるお客様のニーズとしては間違いなく「格式」にこだわる

方は本当に少なくなってきています。

最近の傾向として「格式」よりも「個性」を尊重した

お葬式を好みます。実際にフューネでは

「100人の人生に100通りの終焉がある」

というキャッチコピーを使い出した13年前から「格」より

「個」を重んじるというお客様のニーズを察知した結果なのです。



「個」を重んじるといったお葬式のトレンドは今後もしばらく

続いていくでしょう。






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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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