奥様の心情

社員からの「感動葬儀。」レポートより。

その方はA様、67歳でご逝去され、そうそうの森にご安置されました。お供されたのは奥様だけ。とてもお疲れのようでしたが、どこかやっと…という感じもいたしました。ご主人の病名はハンチントン舞踏病。難病指定されている病気です。突然踊り出すような症状に周りから白い目で見られ、ご主人の親戚からは縁を切られたそうで、発症10年間、この難病と向きあい、支えてきた奥様にとっては長くて辛い10年だったに違いありません。
 直接入館されたその日、次の日に通夜を控えご主人を一人残しご自宅へ準備のために戻られました。私共社員の間では「なんて冷たい奥様なんだろう」との声もありました。でも、私は見ていました。奥様がご主人に「今日は帰るけどごめんね。今までずっと頑張ってきたから許してくれるよね。」と、とても穏やかなお顔で仰っていました。
 後で知ったことですが、ハンチントン舞踏病は遺伝の要素があるとのこと。一人息子さんの受験を控えご心配していましたが、もしかしたら、このこともずっと背負っていかれることへの不安もあるのかもしれません。
 ご主人を看るため、昼間は傍で、夜中は仕事をされ、他の方の何倍も頑張られたことに尊敬いたします。



本当に看病する側の負担は相当なものです。

仕事・家庭を両立させた上で看病しなければならないのです。

その為にそばに居たくても居られない瞬間は往々にして生まれる

のです。

葬儀の現場ではしばしば、お亡くなりの方に向かって近親の家族が

語りかけています。お亡くなりの方に対しての感謝や懺悔の言葉も

ありますが、まるで日常の会話を楽しむかのように語りかけている姿

のほうが圧倒的に多いのです。生きている時の普段と何も変わらない

のです。私たち葬儀社はご遺体を「死んでいる」と見ては

絶対にいけません。ご遺族にとってご遺体は生きているものであり、

会話という点においては普段の日常と全く同じであるのです。




お亡くなりになられてから火葬場で荼毘に付されるまでの数日間は

夫を亡くした奥様ならば片時も離れたくないというのが心情でしょう。

しかし、実際にはやらなければならないことがあり、離れなければ

ならないことは現実であるのですが、私たちは少しでも長い時間

そばにいられるようにしてあげることも大切な心づかいなのです。








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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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