トップは営業をするべきでない
企業においては売上は身体の血液みたいなものであり、売上がないとお金が回らなくなり、やがて倒産といういうことになります。そして、企業が永続していく為には利益を確保することであり、安定して利益が無い企業は発展することはおろか存続が難しくなります。
売上も利益も「作る」という意識をしなければ、勝手に増えていくものではありません。
「作る」という行為そのものが「営業」であり、「営業」をすることで売上が生まれます。
当然のことながら、企業に所属する社員である以上は何らかの営業はするべきであり、例え、工場の勤務であったとしても、その企業に勤務していることを友人や知人にお知らせするだけでも、「営業」になるのです。
ところが、企業のトップである「社長」が営業をすることはやるべきではないと考えます。
「トップセールス」という言葉もあり、トップが営業をすることが一見すると良いことに思うのですが、「営業」の姿勢が全面に出てしまうと周りの経営者やお取引先企業が距離を置こうとしてしまうことが良くあるのです。
いわゆるグイグイくる営業はTPOが間違ってしまうとみっともないものになりますし、経営者の団体では不文律で「営業はご法度」のところは結構あるのです。
では、トップは営業をしないで何をすると良いのかということですが、トップは営業は部下に任せて、「外交」をするべきなのです。
言い換えれば、ナンバー2以下の役員や従業員は「営業」をすることができても、「外交」をすることが出来ないのです。
外交とは考え方や価値観の違う外部の人と仲良くすることであり、仲良くなることでやがて企業に利益をもたらすことに繋がるのです。
後継者はナンバー2であった時に特に営業が得意であった場合は事業承継時には要注意です。
後継者がトップなり、これまで通りの営業を一生懸命することが、時として相応しくない行為となってしまいます。
「営業」から「外交」
この変化を正しくお知らせすることがトップとナンバー2の違いを教えることに繋がっていくのです。