数字は嘘をつかない?

経営者の資質として一定レベルは数字が強くないと務まりません。
単に売上高に一喜一憂するのではなく、限界利益率や労働分配率・借入金の依存度などの数値の把握は常にしておかなければ、いくら儲かったという単純なものではないのです。
俗に数字を読むともいいますが、額面の数字を額面通り理解するのではなく、その数字に隠された本質を見抜く力が無いと、未来の予測は出来ないのです。

「数字は嘘をつかない」とよく言われます。
確かに数値化することで、抽象的であった事象が具体的に表現することが可能になるのですから、数字は大切です。
しかし、数字は嘘はつかないけれど惑わすことができるのも数字です。
例えば、リポビタンDのCMでは「タウリン1000mg」という成分のPRをしていますが、よくよく考えると「1000mg」というのはわずか「1g」のことです。
つまり、「1000mg」と表現することで「たくさん入っている」と多くの人を惑わすことができるのです。
このことを数字のマジックとも言います。

経営者にとって大切なのは数字に惑わされない眼力を持つことです。
そして、数字を使って惑わさないことが信用に繋がります。
数字は確かに嘘はつきませんが後継者などの新米経営者が数字に固執するあまり、社内からの信用を失うことがよくあります。
結局のところ、経営の難しさはそこの集約されていて、数字で表現されないところをどうやって見出して評価することが経営者の技術とも言えます。
嘘をつかない数字を操るのも経営者の技術であり、技術が未熟であればそれは不協和音の元になるのです。











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