視線の方向
最近は電車に乗ってもすっかり、中吊り広告などの車内広告が激減しています。激減の原因は単純に乗客が広告を見なくなったからなのです。今では電車に乗れば、ほとんどの乗客がスマートフォンをいじっているか、寝ているかですから仕方のないことです。スマートフォンが無かった頃は乗客の視線は上を向いていました。車窓からの景色を楽しむか、景色が楽しめないトンネルや地下では上をむいて広告に目を向けていたのです。
気が付いたら電車内での過ごし方は下を向くことが当たり前になってしまっています。
歓楽街を上を向いて歩いている人は他の土地から来た人が歓楽街に慣れていない人だといわれます。歓楽街では上を向いてお店を探すのです。キャッチセールスをする人は上を向いている人を狙い撃ちして声をかけるのだそうです。やはり視線の方向は大切なことです。
企業の不祥事のニュースを見ると必ずといっていいほど共通するのは「視線の方向」が違うのです。
特にお客様の方向を見ていなければならないのに、お客様の方向を向いていないことで起きる不祥事が多いのです。言い換えれば「視線の方向」さえ間違わなければ、多くの不祥事は未然に防ぐことができるのです。
事業承継においても「視線の方向」を間違えることでうまくいかないのです。
自分の息子を後継者にしたいばかりに社員の方向をむいていないといったケースは往々にしてあるのです。
元来、事業承継は事業の継続を目的にしているので、事業の継続を方向に少なくとも視線が向いていないといけないのですが、視線の方向が間違っているだけで様々な違和感が発生してしまうのです。
視線の方向をしっかりと捉えて方向を見誤ることのないように進んでいきたいものです。
混沌とする世情の中では、お客様の視線の方向は簡単に変化してしまうことを常に忘れないで行動をしたいものです。