遊びの重要性
私の学生時代は決して順風満帆ではなく、高校受験を失敗し、大学受験も
現役で失敗し、浪人することに。
そして、浪人時代は本当に精神的にも辛く、勉強することからも、生きていくこと
からも半ばあきらめていたような状態でした。今でも浪人時代に見た真夏の
灼熱の太陽が「鉛色」に見えたことは忘れませんし、それがあの当時の心持ち
だったのでしょう。
そのような心持ちでうまく行くはずもなく、浪人時代に合格した大学は一つも
ありませんでした。父親からは「2浪は絶対にダメ」と言われていたし、私も
全くと言っていいほど、勉強する気がなかったので、自分の行く末を決めなければ
ならない緊急家族会議がどこにも行くあての無くなってしまった私の為に
行われました。
私は「働く」といいましたが、父親がそれは「ダメだ」と。
「遊べ」と言われました。
働くことは長い人生において、これからいくらでも出来る。しかし遊ぶことは
若い間しかできない。そして遊んだ経験がない人は人生が窮屈になって
しまうということを諭されました。無試験で入れる専門学校に
2年間行くことになり、言いつけ通りしっかりと遊ばせて頂きました。
結果的にこの2年間にしっかりと遊んだことが、本当にその後人生において
いかに重要なのかと今はしっかりと理解できます。
クルマのハンドルにも「アソビ」があります。
このアソビがあるおかげで、少々のことに敏感に反応せず、安全な運転が
出来るのと同じなんだと思うのです。
組織のトップになる人にもしも「アソビ」がなかったら、それはそれは窮屈な
会社になってしまうはずです。社員のわずかミスに叱責をし、権限さえも
小口の決済権も権限移譲しなければ、鉛筆一本を買うにも上司の決裁が
必要になってしまいます。
「アソビ」を知る為には遊びをしていなければ、人間的な余裕からくる
アソビの部分は絶対に生まれません。
事業承継において「遊び」が重要なのです。