社長1年目の苦悩 その2

前回に引き続き、社長一年目の苦悩について書いていきます。

社長として絶対にやってはいけないこと。

それは従業員に払う給与を給与日に支払わないことに他なりません。

もちろん、他にも重要なことはたくさんありますが、そもそも社員のみなさんとの

信頼関係が無くなったら、すべてを失うことになるのです。

労使の関係がおかしくなり、働く側がストライキを起こして働かなくなった時と

いうのは経営者にとって本当に危機であり、お客様の信用を失い会社は倒産の方向

に向かうこともあるのです。

「約束を守る」ことの継続が信用を勝ち取ることであり、信用が無ければ

企業の存続は容易ではありません。




実は社長に就任した年はフューネという会社にとって創業以来最大の危機でした。

これまでに30年弱お取引のあった企業との業務提携が解消され、ある日を境に

総売上の40%を失った年でした。売上が40%もダウンして赤字を回避することは

不可能に近く、毎月火だるま式に巨額の累積赤字が積みあがる日々。

私が社長に就任して最初の第一四半期はなんと6000万の赤字を計上してしまい

ました。あまりの巨額さになす術も浮かばず、ただもがく日々の始まりでした。

幸い、多少の内部留保がありましたから、しばらくは資金は回っていましたが、

それも限界はあり、いよいよ資金が枯渇してしまいました。

通常のお取引先の支払いも出来ない状況の中、そちらの支払いを止めてでも

従業員に給与を払わなければならないのですが、その資金すら無くなって

しまっていたのです。

社長一年目にして最大の禁じ手。

給与の遅配をやってしまいました。

従業員に謝罪する辛さ。申し訳なさ。何も出来ない自分との葛藤。

今になって思えば「すべて良し」の心境ですが、当時は耐え難いものでした。

社長としてやってはいけないことを1年目にしてしまったこと。

これは私にとって今でも十字架を背負わなければならないことです。

もう絶対にこのようなことをしない為にどうするべきか?

これは私の経営課題であり、原点でもあるのです。




あの時、給与が遅れても辞めなかった多くの従業員に今でも感謝しています。

本当に「ありがとう」。

そして、「企業は人なり」いう言葉を心底、実体験で学ばせて頂きました。

自分自身の戒めとして、会社の歴史としてブログに今回ブログに書かせて

頂きました。











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