2次元の経営と3次元の経営。そして4次元で。
経営にとって大切なことは、どんな時代になっても変えてはいけないことと
時代に合わせて変えていくことの2つの要点をバランスを上手にとっていく
ことが基本です。どんな時代になっても変えないことをタテ軸とするならば、
時代に合わせて変えることをヨコ軸としてタテとヨコのバランスをとり、+の
ような形になっていくことが理想です。
タテとヨコは2次元で表現できるものであり、私はこれを2次元の経営手法
と表現しています。
基本は2次元で良いのですが、現代のようにビジネスの世界では国境が
なくなり、地球規模で行われている現況では答えが2次元では表現できない
ことが多くなってきました。例えば、中東で起きた紛争が私たちの生活の中で
原油価格が上昇し、食卓に並ぶものの価格が高騰したり、中国経済のバブル
が破綻すれば、足元の日本の経済が好調でも、株価が急落することが起きて
います。つまり、経営の課題が2次元の平面では解決が出来ず、3次元の立体
の中にあることがグローバルな社会の中では多々発生しています。
そして、グローバルの対極にあるのがローカルな社会なのですが、
今や、グローバルとローカルは密接に影響しています。
つまり、世界規模で活躍しているグローバル企業の影響を我々の中小企業が
まともに影響を受けるのです。リーマンショックはその解りやすい典型でしょう。
近江商人の「三方よし」は「売り手良し・買い手良し・世間良し」という大変
素晴らしい商人としての教えです。今でも充分に役に立つ考え方なのですが、
この三方よしには反映されていない部分が「未来良し」という思想です。
3次元で考える経営ができたならば、4次元で考える「未来」も経営者は考えて
いかなければならないものです。
事業継承においては過去の歴史を未来に繋げていくことがとても大切な
要件であるのですが、「未来」を描くことができない企業の事業承継は
そもそも不幸を招くだけです。