債務超過の厳しさ
債務超過とは債務者の負債の総額が、その企業が抱える資産の総額を上回る状態
のことで日本の証券取引所の場合、企業の連結決算が2年連続債務超過になると
上場は廃止されます。帳簿上の株価の価値は0円となり、債務超過の段階で
もはや会社が倒産していると判断する方々もいらっしゃり、債務超過状態では
本当に厳しい現実を突き付けられます。
今だから言えることですが、弊社も私が社長就任した当初は3期連続で巨額の赤字
を計上し、社長就任2年目で債務超過企業のトップになってしまいました。
一旦債務超過状態になると大方の企業は再生することなく、倒産・破綻の道へ
進んでいくのが一般的で、債務超過状態から会社を再生することは本当に困難な道
なのです。幸い弊社はこの苦境から抜け出すことに成功をしたのですが、
苦しく、険しいいばらの道であったことは間違いありません。
まず、債務超過になるとどうなるかということですが、
「銀行がお金を貸してくれない」のです。
銀行がお金を貸してくれないから資金がショートして、支払いが滞ることになり、
企業の信用がますます低下するという悪循環に陥ります。
一旦この悪循環に陥ると本当に蟻地獄のようで、抜け出すには困難が伴います。
抜け出すには銀行以外から何らかの方法で資金調達するか、月々の支払いよりも
月々の売上を多くすることのみです。
私の場合はこの両方の方法を使い、徐々に単月で利益が出始めたことを銀行に
証明して抜け出せました。といっても抜け出すまでに3年の年月がかかりました。
この窮地に陥った時に考えた思考は単純でした。
ただただ目の前の収入を増やして支出を減らすこと。
そして、支払いが出来ない取引先に誠意をもって「待ってください」とお願いしたこと。
結局のところ、苦しい時に苦しいという素直さこそが大事であり、素直であれば
あるほど周りの人が助けてくれることを学びました。
素直は経営者にとってとても大きな武器なのです。