木を刈り取る
林業に携わる方々は未来の子孫の為に木を植えて、そして育てています。
自分の代では出荷することが出来ないものを一生懸命育てていくことが
とても大切なことです。
事業承継というものは先代が大切に育ててくれた木を伐採して、お金に
すると言ったことが往々にしてあります。
私は社長を交代して12年も経つのですが、先代の植えた木が今でも
仕事の上で宝物として存在します。
継承者は木を植えなければなりません。
自分の代ではお金にならなくても、次代の為にやらなければならないのです。
そうでなければ、企業の永続的な発展はありません。
目先の利益に走ることは木を植えることではありません。
木を伐採しすぎて、禿山になってしまえば災害も起きますし、未来が無くなって
しまうのです。
目先の利益を追求するばかりでは絶対に事業の継続がうまくいかないのです。
「恩送り」という言葉があります。
恩返しならば、受けた恩を受けた人に返すことですが、恩送りは受けた
恩を次の誰かに渡していくものです。
事業承継の次にまた事業承継がある。
代々続く老舗といわれる企業においては事業承継は常に現在進行形であり、
それが出来るからこそ、得られる社会的な信用があるのです。