長男以外の事業承継
私は長男であり、3人兄弟であって一番上で後は妹が二人という境遇でした。
子どもの頃から家の跡継ぎであり、会社も跡を継ぐことが半ば既定路線で
あるかの言葉を周りの人々から子供の頃から言われてきました。
子どもの頃に私にとって「跡継ぎ」ということは結構なプレッシャーであって
なかなか精神的は負担であったことは事実です。長男で産まれてきた責任
であって、多くの方が同様な経験をされてきていると思うのですが、
私自身も事業の継ぐか継がないかという決断をするのに、学生の頃は
継がないという選択肢もあるよなと思っていました。
私の周りの経営者の皆さまの中で次男・三男という方が社長をして
いる方が意外に多くいらっしゃいます。
「どうして次男(三男)なのに跡継ぎになられたのですか?」
とお尋ねするとほとんどの方が
「長男が別の道に進んだから」
と答えられるのです。
「私のほうが優秀だから」
という答えはほとんどないのです。
企業存続という観点から考えれば、優秀な人が社長をするべきだと
思うのですが、現実の事業承継は「優秀」だからという理由は二の次
なのです。
多くは長男が拒否をしたから次男が事業承継するといった「順序」の
関係であったり、場合によっては消去法であったと笑って言われる
社長さんもいらっしゃいます。
経過はどうあれ、結果は親が一生懸命継続してきた事業を繋がなければ
という子の想いが事業承継に繋がっています。
そして少子化の時代だからこそ、男だけではなく、長女・次女といった
女性も継承者の候補なのです。
親の事業に対する「子の想い」は中小企業の事業承継において
特に大切な「本質」なのでしょう。